本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

リーダーシップは管理能力で決まる

ビジネスをする上でのコラボレーションは、IT化の進展とともに方法論が大きく変わってきた。かつてはそれぞれのビジネスに関する仔細な情報を共有してコラボレーションをすることは不可能で、組織が異なるとビジネスの分担の切り分けが明確になり、全体のビジネスの効率化の限界というのはそこで決まった。異なる組織によるビジネスの連鎖の中では、全体効率という点では弱いところには泣いてもらうしかなかったので、そこが品質のボトルネックになるケースもあった。

ところがそれぞれのビジネス単位がIT化することで、仕事の連携のさらなる効率化とか、新たな課題の発見など、コラボレーションのあり方は全く異なるものとなりつつある。社内においては部門間の調整、対外的にはSCM(サプライチェーンマネジメント)など、業務の連鎖をIT化することが重要になった。こういう方向に進む前提としては、それぞれの業務のIT化ということは必須だが、もう一つはIT化のモデルとなる業務の管理方法が確立しているかどうか問われることになる。結局、よい管理方法を握っているところが、業務の連鎖の中でのリーダーシップをとることになるのだ。

過去において、PAGEではプリプレスのデジタル化をメインに取り扱っていたが、それは一定の段階に達し、むしろビジネス上の課題はプリプレスからプレス・ポストプレスまでを貫いたIT化の諸問題をどう解決していくのかに向かっている。そこで2003年2月5日(水)〜7日(金)に行われるPAGE2003では、主に生産に関する管理の課題にフォーカスして、PAGEコンファレンスでは「MISトラック」を設けるとともに、展示会場においてもテーマZONEとして「MIS・管理ソフト」「JDF・ワークフロー」という特設コーナーを設け、各社がデジタル化の次のステップに入ることを促進しようとしている。

MISトラック

PAGEコンファレンスにおけるMISトラックの狙いは、これからの10年、印刷業界は社外との連携を含む全体最適化を成し遂げるために必要な能力、必要な環境整備、必要なサポート体制を検討して、徐々に明らかにして、力が分散しないように効率的に取組んでいくためである。
IT化したコラボレーションとその前提としての管理の整備はまだ始まったばかりだから、その全体像を把握するために、全体最適化の基本要素について、将来ビジョン・基本コンセプト、現状、今後の動向と課題を話し合おうという方の参画を多く求めている。
それは単にコンファレンスを聞きに来る方だけではなく、2〜3年先をターゲットに活動を始めている方々には、ぜひそれぞれの試みをPAGE2003コンファレンスで発表していただきたい。MISトラックでは次のようなキーワードをベースにセッションを企画しているので、強い関心のある方は是非ご連絡をいただきたい。
●マネジメント・インフォメーション・システム(MIS)
  印刷業界における経営管理、経営意思決定ツール、事例

●サプライチェーン・マネージメント
  社会におけるSCMの広がり、印刷産業界における運用、SCMのASP

●B2B
  クライアントの印刷物電子調達、印刷ECサイト、印刷業における調達課題

●生産システムとMISの連携
  MISと生産システムの連携、JDFをベースとしたアプリケーション

●標準化
  企業間情報交換、IT戦略と標準化ソリューション、印刷関連に必要な標準化

●ECにおける契約と法律
  ネットワーク取引に必要な契約、セキュリティーなど運用管理

Call for speaker

各社が取組んできた管理手法の整理、IT時代に合わせた方法論、これからの印刷産業の経営管理のあり方など、近未来のビジョンをもって上記に関する取り組みをされていて、PAGE2003において30分ほどのプレゼンテーションが可能な方は2002年11月15日までに、担当の山内宛に、発表できるテーマについて簡単な内容をお書きの上、メールをお送りください。追って当方から、連絡を申し上げます。

2002/10/23 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会