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第6回アジア印刷技術情報フォーラム報告


2002年12月24日

第6回アジア印刷技術情報フォーラム(The 6th Annual Meeting of the Forum of Asia Graphic Arts Technology ; 以下第6回FAGAT)が、去る11月19-21日まで、シンガポール海峡のMarina Bayを望むSwissotel The Stamford(オリビアルーム)で開催された。
2001年は北京・世界印刷人会議があり、フォーラム開催は今年にスキップされた。今回はメンバー国7カ国(日本、中国、韓国、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア)とオブザーバーとしてオーストラリアが参加。海外からは関連参加も含め67人、地元シンガポールから71人、総勢138人が参集した。

[開催日程]
11月19日:第6回FAGAT総会、技術小委員会、歓迎パーティ
11月20日:各国情報交流会(プレゼンテーション:シンガポール、中国、日本、韓国)
新聞印刷のシンガポール・プレス・ホールディングス社を視察
11月21日:各国情報交流会(プレゼンテーション:マレーシア、フィリピン、タイ)
さよならパーティ
[参加国代表機関]
◇主催国: シンガポールPrint & Media Association、Singapore参加人数71名
◇参加国:中国中国印刷技術協会参加人数8名
 日本日本印刷技術協会参加人数22名
  韓国大韓印刷情報産業協同組合聯合会参加人数4名
 マレーシアMalaysian Printers Association参加人数8名
 フィリピンPhilippine Printing Technical Foundation 参加人数7名
 タイThe Federation of Thai Printing Industries 参加人数7名

【11月19日】

●第6回FAGAT開幕/総会 11月19日14:30よりSwissotel The Stamfordヒューレットルームで第6回FAGAT総会を開催。議長は主催国シンガポールPMAS会長のBob Lee氏が努めた。各国メンバーの紹介や準備経過などが議長から報告された後、主要議題の検討に入った。

主要議題
◆技術委員会報告(技術委員会委員長/JAGAT斎藤)
JAGAT(斎藤)から技術委員会の組織化・運営の解散を提案した。その大きな理由は、2カ国(シンガポール、タイ)を除いて他は、中止、延期を希望していること。中止の主な理由は、いろいろな環境の違いから共通の議論が難しい、各国の組織メンバーが継続できないので一貫したテーマがだせない、必要事項が発生したときは2国間で討議・研究が望ましい、などからである。
結論:
問題がありながらも少しずつ組織ができてきているので、もう少し時間を掛けて共通テーマを研究していくことが望ましい。当面は凍結。次回で再討議
◆ 新規参加国、オブザーバーについて今回は、シンガポールから呼びかけたオーストラリアから2人がオブザーバーとして参加。北朝鮮については韓国からのアクションはできなかった。今後ともインドネシア、ブルネイ、インド、ベトナム他等広く呼びかけていくが、FAGATメンバーとしてフォーラム事務局を主催、運営できる当事者能力があることを前提として呼びかけをする。
◆ FAGATの今後の運営 FAGATを安定的に運営していくには、積極的にスポンサーをつのり、情報交換だけでなく、カンファレンスやセミナーも展開し、スポンサーの発表の機会も設けていくことが必要である。開催回数は従来どおり年1回。オーストラリアが正式加盟したときのネーミングは次回検討。
◆ 第7回の開催についてマレーシアに決定。大きな支障がなければ、順番としては唯一未開催国であるマレーシアに立候補してもらうのが一番よいとのことで決定した。

[歓迎パーティ]
ウエルカムパーティは、Marina湾に面した遊歩道にある「Via Mar Spanish」レストランで行なわれた。全員がネクタイ・背広ではなく軽装で集まり、ゆっくりくつろいだパーティとなった。

【11月20日】

第6回FAGATオープンセレモニー FAGAT2002大会運営委員長Thomas Chua氏の開会の挨拶につづき、主催国を代表して Print&Media Association、Singapore会長のBob Lee氏が歓迎の挨拶。

●報交流会各国プレゼンテーションのテーマ
シンガポール :印刷産業の未来
中国     :中国におけるCTPの現状と展望
日本     : 印刷産業の昨日、今日、明日
韓国     : 韓国の印刷物の輸出戦略

[シンガポール・プレス・ホールディングス社の見学]
シンガポールの中心街から西北にあるジュロン地区の新聞印刷工場「シンガポール・プレス・ホールディングス社」を見学した。同社は唯一の新聞印刷工場で、英語、マレー語、中国語、日本語(日経・朝日)など数多くの新聞を印刷している。同社の自慢は、最大4ライン×122ページまたは2ライン×160ページと2ライン×64ページが刷れるKBAコマンダープレスを有していることです。海外のものを含めても決して部数は多くはないが、一時期に多くの種類をこなすことに重点が置かれているようだ。

【11月21日】情報交流会2日目

●各国プレゼンテーションのテーマ
マレーシア :マレーシア印刷産業の概要
フィリピン :フィリピンの印刷産業の現状
タイ    :タイ印刷産業の将来に対する挑戦課題
        :タイの印刷業界の抱える問題点
               *タイは2人によるプレゼンテーション

[ファイナルセレモニー/さよならパーティ]
各国の発表が終わり、PMASの副会長のCharlie Chan氏から閉会の挨拶とともに第7回FAGATが2003年にマレーシアで開催されることが参加者に伝えられ、3日間に渡った第6回FAGATは閉会した。なお、JAGAT-FAGAT Supporting Fundの授与式は、20日の韓国の発表後に、同会場で主催者側からのファンドの主旨説明に続き、JAGAT島袋徹副会長からシンガポールPMAS会長・Bob Lee氏にファンド100万円が手渡された。

*夕刻よりファイナルセレモニーの会場となるネプチューンシアターレストランへと移る。PMAS65周年記念パーティも兼ねたFAGATさよならパーディが盛大に行なわれた。海外からのFAGATメンバーが国旗と共に入場、シンガポールPMASのメンバーに改めて紹介された。恒例の各国プレゼント交換、ダンス、手品など楽しい余興など夜遅くまで続いた。

2002/12/26 00:00:00