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PAGE2003コンファレンス「MISトラック」完全ガイド

開催/2003年2月6日(木)〜7日(金)  会場/ワールドインポートマート
お申込み:FAXまたはオンラインでお申込みできます

ビジネスをする上でのコラボレーションは,IT化の進展とともに方法論が大きく変わって,仕事の連携によるさらなる効率化とか,新たな問題解決課題が可能になる。これからの10年,印刷業界は社外との連携を含む全体最適化を目指さなければならない。この動きは始まったばかりだから,その全体像を把握するために,全体最適化の基本要素について,将来ビジョン・基本コンセプト,現状,今後の動向と課題を取り上げる。

D1 重要性を増すMIS (2月6日 9時〜11時)

生産工程のデジタル化はDTP+CTPにより、ひとつの到達点を迎えた。その一方、工程管理や原価管理などの管理系のシステムは十分活用されているとはいえず、手作業による作業指示伝票や日程管理表などが残っているという実情である。
今後は情報技術(IT)の活用により、さらなるデジタル技術利用の高度化が求められる。その一つの方向が、生産系システムと基幹系システムの連携あるいは統合による全体最適化である。今、話題のJDFも生産システムの視点だけでは、その本質を見誤ることになりかねない。
本セッションでは、次の時代をみすえたWebベースの統合管理システムを開発した渕上印刷 柳氏より開発理由・経緯・システム概要をうかがう。また、JDFは基幹系システムと生産系システムをどのように結びつけるのか?。凸版印刷 宮野氏より生産系システムの進化の過程を追いながら、「全体最適」に向う今後のシステムの行方を考える。

◆スピーカー
渕上印刷株式会社 代表取締役社長 柳 正保
「Web型情報管理システム「リゾーム」について」
外部システム(資材、外注、顧客)やCIM (CIP4,JDF)との連携も可能な完全Webベースの統合管理システム「リゾーム」の概要、開発背景について。

【関連リンク】
「リゾーム」リリース記事
Web型情報管理システムの提案〜自社開発システム「リゾーム」(PDF)

凸版印刷株式会社 総合研究所生産技術研究所 副主任研究員 宮野 正貴
「印刷業における生産系システムと基幹系システム」
生産系システムの進化の過程を振り返りながら、今後の生産系システムの方向や基幹系システムとの連携を考える。全体最適や統合管理というキーワードからJDFを考える。

【図版】*クリックすると拡大表示されます。

PAGE2003宮野氏資料より抜粋

D2 進むクライアント側のSCM/電子調達の状況 2月6日( 木)12:00-14:00

印刷産業にとっての大手企業が電子調達を進める一方で、印刷業界のEC,SCMがあまり進展を見せず、クライアント主導のSCMの中に印刷業が巻き込まれていくケースが増えるようにも思われる。
産業一般,あるいは公的機関のSCMの状況や印刷物の電子調達の動向を聞き、印刷企業あるいは印刷産業界としての対応を考える。

◆モデレータ
株式会社トーク 企画営業部 部長 桧山 栄二
「民間系の電子調達の状況について」
SCM、電子企業間取引、電子購買、電子資材調達、MRO調達、グリーン調達などのクライアント企業の動向は印刷業界とどう関わっていくのか?。さらに電子入札などの印刷物調達の動きを知る。

【関連リンク】
電子企業間取引関連サイト
コビシント(自動車業界)
JNX(自動車業界)
GNX(小売業界)
E2open(エレクトロニクス業界)
TWX-21(日立)
ロゼッタネットジャパン

電子購買(調達)関連サイト
日本アリバ株式会社
コマース ワン株式会社
i2テクノロジーズ・ジャパン株式会社
電子購買コンソシアム

MRO調達サイト
アスクル
Kaunet
たのめーる
べんりねっと

グリーン調達(購入)関連サイト
グリーン購入ネットワーク(環境Goo)
環境情報ポータル「エコロジーシンフォニー」

◆スピーカー
(財)建設業振興基金 建設産業情報化推進センター 部長 星野 隆一
「CI-NETの概要について(経緯と現状・今後)」
CI-NETとは、コンピュータネットワークを利用して建設生産に関わる様々な企業間の情報交換を実現し、建設産業全体の生産性向上を図るためのEDI標準。
見積りから請求に至る業務処理の電子化を推進し、1,000社を超える企業によりさまざまな業務において実用化が進められている。
建設業界と印刷業界は,下請け,孫請けが多い業態や中小企業の数が多いといった類似点も多い。先行事例を聞く。

【関連リンク】
CI-NET
電子商取引推進センター(ECPC)
  (財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)に属する組織で、我が国のEDI標準「CIIシンタックスルール」の管理/普及などを行っている。
EDI推進協議会(JEDIC)
  (財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)に属し、63の業界団体と政府の3省(オブザーバ)で組織されている。EDIの産業界への普及、特に業種横断的な共通課題の検討および情報交換を行う。
  印刷業に関連する業界では日本フォーム印刷工業連合会、日本紙商団体連合会、(社)日本広告業界、日本製紙連合会などが会員となっている。

株式会社日立総合計画研究所 公共システム事業部電子政府プロジェクト推進統括センタ部長 主管研究員 白井 均

 ・日本の電子政府への取り組み
 ・電子入札・開札システムの仕組みと運用状況について

【図版】*クリックすると拡大表示されます。

2002年1月22日通信&メディア研究会ミーティング「電子政府の実現」株式会社日立総合計画研究所 白井氏作成資料より

D3 Eビジネスをするための要件(契約・法律・セキュリティ) 2月6日( 木)15:00-17:00

ネットワーク上で仕事を進めていくためには、従来とは異なる契約、セキュリティーについて考え、必要な整備を進めていかなければならない。
この分野で先進的な取り組みをしている業界における事例を聞くとともに、印刷企業、印刷産業として主体的に取り組むべき課題を整理する。

◆モデレータ
社団法人日本印刷技術協会 常務理事 山内 亮一
◆スピーカー
株式会社NTTデータ ビジネス開発事業本部セキュリティ事業部商品企画担当 担当部長 中村 逸一

「eビジネスにおける情報セキュリティ」
  (1)情報セキュリティの必要性と技術
  ・情報セキュリティ被害の状況
  ・情報セキュリティを確保するための技術

  (2)電子データの原本性と時刻証明
  ・電子データの原本性、時刻証明の必要性
  ・政府におけるeビジネス促進施策

  (3)情報セキュリティマネジメント
  ・情報セキュリティマネジメントの必要性
  ・情報セキュリティマネジメントの国際規格と認証制度
   −BS7799及びISO/IEC17799について
   −ISMS認証制度について

【関連リンク】
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度
BS7799とは? 月刊情報セキュリティへのリンク

凸版印刷株式会社 法務本部法務部 部長 萩原 恒昭
「印刷会社におけるこれからの情報マネジメント」
  顧客のデータを預かることの多い印刷会社では情報セキュリティは重要となる。またクロスメディアへの展開を考えると知的財産権の扱いがポイントとなる。

(1)印刷会社にとっての情報セキュリティの重要性
・凸版印刷の取り組み
 −情報セキュリティポリシーの策定と運用
 −TOPICAサービスにおけるISMS認証取得

・関連法制度について
 −電子認証及び電子署名に関する法制度
 −Web上での取引に関する法制度
 −サイト運営者の免責に関する法制度

(2)個人情報管理の整備
・個人情報保護制度に関する動向
 1.国際動向
  −OECD8原則
  −ECディレクティブ
 2.国内動向
  −JIS15000の制定
  −プライバシーマーク制度の運用開始
  −個人情報保護法案の動向
・印刷会社にとっての重要性
・凸版印刷の取り組み
 1.個人情報管理ルールの策定と運用
 2.プライバシーマークの取得

(3)Eビジネスと知的財産権
・Eビジネスとビジネスモデル特許/ソフトウエア特許
・コンテンツビジネスと著作権
・コンテンツビジネスと契約

【関連リンク】
プライバシーマーク制度
凸版印刷/「プライバシーマークの使用認定」を取得(2000/04/25)
日立インターメディックス/「プライバシーマーク」を取得(2001/05/28)
共同印刷/プライバシーマークを認定取得(2001/07/31)

D4 印刷企業におけるSCMの目的と内容  2月7日( 金)9:00-11:00

受注生産が基本となる印刷産業におけるSCMの狙いは、単にネットを通じた物品の調達ではなく、顧客を含む新たな企業間コラボレーションの構築によって市場ニーズへの対応力、収益力を高めることにある。
SCMの前提となる企業間コラボレーションについて考えるとともに、インターネットを有効に利用したコラボレーションの事例を聞く。

◆モデレータ
社団法人日本印刷技術協会 常務理事 山内 亮一
顧客満足とコラボレーション、ビジネスプロセスのリエンジニアリングという二つのキーワードでセッションを展開する。
顧客満足とコラボレーション
顧客満足向上に関しては、必要な機能を全て自社で持つことが出きればそれに越したことはないが、経営効率の観点から、核になる部分には大きな投入をして自社能力に磨きを掛けるが、それ以外の部分は他社とのコラボレーションによって必要条件を満たしていくという選択をすべき企業の方が多いだろう。ただし、この場合のコラボレーションとは、単なる外注ということではなく、自社の機能であるがごとく連携できる強固な関係でなければ、顧客のシビアな要望に応えることはできない。供給力過剰のなかで低下し続ける設備投資効率の問題への解でもある。
このようなコラボレーションにおける業務遂行のためのコミュニケーションには、ITの有効利用が大きな威力を発揮することになる。
ビジネスプロセスのリエンジニアリング
合理化については、生産工程個々における効率化は機械設備の機能、性能の向上によって飽和点に近づいているので、今後は工程全体を見渡してボトルネックを排除するという視点で考えていくことが必要になる。具体的には、ITを活用して顧客や協力会社を含めて必要な情報の流れをスムースにしていくことである。各社の仕事の流れを改めて見直してみれば、伝言ゲームのような情報の流れ方が、仕事の停滞やミス、ロスの最大要因になっていることが確認できるはずである。IT活用によって情報の流れをスムースにすることは、いままであまり手がつけられてこなかったホワイトカラーの生産性を格段に向上させるということにもなる。このようなビジネスプロセスのリエンジニアリングは、部分最適から全体最適を目指す今後の合理化の重要な要素である。

◆スピーカー
株式会社東京印書館 代表取締役社長 下中 直人

「PPP-NET」を利用し、印刷物生産の計画、進捗状況等に関する情報を外注先の印刷会社、製本会社との間で共有化することで、業務の格段の効率化とミス、ロス低減に大きな成果を上げている。
ビジネスプロセスのリエンジニアリングに向けた企業間コラボレーションやIT技術の活用について聞く。

【関連リンク】
リアルタイム工程管理ネットワーク「PPP-NET」
Webを活用したPPP-NETで進捗情報を社内外で共有(要登録)

株式会社金羊社 代表取締役社長 浅野 健
現場で起きている日常的な問題を解決しようとしたときに、自社の視点だけでなく同じ問題意識を他社と共有できれば大きな力を生み出す。そしてIT技術はかつてない緊密なコラボレーションを可能にする。以下のコラボレーション事例をきく。
印刷組合ドットコム
目的:印刷資材の共同電子調達と印刷コラボレーション
内容:東印工組のプロジェクト活動が母体。資材調達における特徴は、バイヤー側から構築されたシステムであること。課題はさまざまな分野での標準化(全ての機能共有の前提)。
障壁は過去から現在に至る商習慣と流通の多層実体。現在、成功に向けて実証実験継続中。
印刷OEM研究会
目的 : 同業者取引(仲間仕事)における、品質上の契約のあり方を研究し、元請、下請の関係をOEMの関係に改めること。
内容:枚葉オフセット印刷は発注者の要求品質に大きな格差がある。その結果印刷会社間に標準的な品質基準が存在せず、トラブルの原因となっている。枚葉オフセット印刷の品質規準を業界レベルで構築することにより、標準化を推進し、生産設備の共有化に継なげ、OEMネットワークを構築する。現在あるべき姿を検討中。

【関連リンク】
印刷組合ドットコム

D5 生産システムとMISの連携(2月7日 12時〜14時)

MISと生産システムの連携をはかるJDFをベースとしたアプリケーションが各ベンダーから出されてきている。JDFは、生産システムの合理化・生産性向上だけでなく、基幹系システムとの連携により、もっと高いレベルでの全体最適化を目指すものである。 海外での先端事例を紹介するとともに,経営管理的な視点からもJDFのコンセプトをとらえなおす。

◆モデレータ
大日本印刷株式会社 生産総合研究所 SPI推進第一部 部長 江川裕仁 氏
◆スピーカー
大日本スクリーン製造株式会社 IT営業部コンサルティング課 担当課長 今野 善澄 氏
『経営システムの再構築に向けて_業務管理ソフト「アントマーム」と「SAIL」コンセプト』
同社は製版・印刷業向けの経営コンサルティング事業を行っている。その達成目標は、クライアント、サプライヤー等の間をすべてネットワークで結ぶデジタルワークフローの構築と「営業管理」「制作管理」「業務管理」「基幹業務管理」がそれぞれ連携されたトータル管理システムの構築である。このコンサルティングの経験から業務管理ソフト「アントマーム」が生まれ、さらにJDFを用いて生産システムとの情報リンクを行う「SAIL」コンセプトに発展している。

【関連リンク】
印刷産業のこれからの目標と達成手段
印刷産業のこれからのあるべき姿
   (上記2点同社コンサルティング事業ホームページより)
業務管理ソフト「アントマーム」

クレオジャパン株式会社 マーケティング&コミュニケーション部 部長 真壁 敏
『NGPコンセプトと海外の先行事例の紹介』
同社はNGP(Networked Graphic Production)コンセプトを打ち出すとともに、米国の印刷製作支援ASPサービス業者のプリントカフェ社に出資し、海外ではJDF利用の具体的な先行事例を持つ。
米国の印刷会社JohnsByrne社のクレオ/プリントカフェ/コモリの3社による製作から印刷までのJDFソリューションを具体的に聞く。また、現時点では数少ないJDF対応のMISシステム「Hagen OA(プリントカフェ)」やJDF作成ソフト「UpFront」について聞き、JDFの全体像の理解を図る。

【関連リンク】
米JohnsByrne社でのクレオ/プリントカフェ/コモリの3社によるJDF事例
NGP(Networked Graphic Production)コンセプト
PrintCafe HagenOA
CreoがScenicSoftの買収を完了
ScenicSoft UpFront

D6標準化への取り組みとインフラ整備(2月7日 15時〜17時)

IT化した企業間コラボレーション,管理情報システムと生産システムの連携においては,異なるシステム間での情報交換が行われることになる。このような情報交換のためのインフラ整備のひとつとして「標準化」は大きなテーマとなる。標準化すべき範囲,内容,課題とその取り組みのステップを考える。

◆モデレータ
株式会社メディアフロンティア 技術担当執行役員 赤羽 喜治 氏

【図版】*クリックすると拡大表示されます。

【関連リンク】
MIS懇談会

◆スピーカー
元 通産省 奥山 淳史 氏

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大日本印刷株式会社 技術本部 シニアエキスパート 石井 健三 氏

【図版】*クリックすると拡大表示されます。

開催/2003年2月6日(木)〜7日(金)  会場/ワールドインポートマート
お申込み:FAXまたはオンラインでお申込みできます

2003/01/23 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会