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ロスの発見と削減

 3月26日に行ったセミナー「減収増益はロスの発見と削減で実現」では、印刷システム研究所の山口諄也氏より、今までのシステム導入における経験などでミスの削減やロスの発見でどのような対応を行ってきたかを伺った。

ロスの発見

 今会社経営では、減収増益がキーワードであり、利益があれば会社は潰れない。そのためにはミスの削減とロスの発見およびその対策が不可欠である。しかし一般にミスは見えるがロスは見えない。このためロスを見つけるには、実業務の内容や時間などを集計してみることが必要である。

 福岡県のI印刷会社では、MACを使うプリプレス部門にバーコードを導入した。バーコードは4種類用意し、担当者コード、作業指示コード、開始コード、終了コードで行った。福岡県ではバーコードを利用した業務管理を行うと補助金が出たので始めたそうだ。
 導入後4ヶ月経ちその結果、つまらない直しの作業が無くなったそうだ。従来は営業がなんでもかんでも直しを受けてきたが、これがすべて原価集計で加算されてしまうので出しづらくなった。営業担当者や仕事ごとに実際にかかった原価がわかるため、営業が自分で直したり、または有料で受けてくるようになった。
 この会社では、プリプレス部門の作業集計のためにバーコードを利用したが、最初からこのような効果を考えた訳ではなかった。

 データを収集する方法として、この会社では無線系のバーコードスキャナーを使っているが、バーコードリーダの導入は、今までスキャナの値段がネックになっていた。しかし最近は、アダプタが4万円を切り、ソフトは12万円で何台でも使えるという商品が出てきている。さらには2万5千円を切るスキャナーも出てきている。またPHSでやってる会社もあり、工夫次第で低価格で設備が可能になってきた。

プリプレス工程のロス

 今述べたI印刷会社では、バーコードを導入した理由が、レイアウトやデザインなどの思考時間の集計が目的でもあった。思考・発想時間は、実際にはMACを操作していない時間であり、これのコスト管理ができていない事が多い。これがページ数やサイズや点数などで生産量を算出するとデザインの難しさなどがわからなかった。
 これをバーコードで集計することで、非常に多くの時間が掛かっていることがわかった。

 プリプレス工程のロスには、印象を良くするためついサービスをしてしまうという営業の意識に問題があることが多い。
 その例で一番多いのは、誤字・脱字と追加・変更の混同がある。誤字・脱字はミスであるが、追加・変更は基本的には有料で受けられる物である。この指示が混同してしまうと、どちらの作業で時間が掛かっているのか判断がつかない。このためこれを区別できるようにすることでロスが発見できる。同様に校正回数もある。3校とか4校とかそれ以上の校正を行っている場合にも、それを明確にする必要がある。
 B印刷会社では、営業本部長が売上額の非常に多い大口のマニュアルの受注を担当してしていたが、直しが非常に多く7校、8校まで行っていて、そのため他の営業が受注した仕事を社内に流せず外注に出すとことが多かった。原価管理システムを導入し、作業時間で原価を算出した結果この仕事が赤字であることがわかった。そのため顧客にこの数値を見せることで、4校以上を有料にしてもらう交渉ができた。実際にはその後すべて3校で終わるようになったが、外注していた他の仕事が社内に流せるようになり、外注費が削減できた。これは営業に実際の数字を見せることで意識が変わったという事例である。

 プリプレス工程のロスとは、MACが印刷会社に入りそのため製版外注が減ったことで外注費用が無くなり、どんどん価格を安くしてしまったことがある。これはMACのコストが把握できないために起きていることである。
 この対策には制作部門の分離を行い、社内振替の標準化を行う。千葉県のS社では、制作部門を分離して社内振替で発注を行ったが最初は赤字であった。これが少しづつ赤字が減ってきた。これは営業と現場のもたれあいを無くす効果が出てくる。制作部門も営業でも、いい物を作ろうとコストを度外視して制作する傾向がある。これを切るためにも分離する。また実際原価を把握するためのシステムを導入して運用する方法もある。

生産工程のロス

 生産工程のロスは、印刷機の稼働率をどう見ているかがある。実際に印刷している以外に、前準備や後処理などが集計されていない場合がある。前準備も後処理もコストという考え方が必要である。紙待ち、版待ちなどで待っているのもコストで算出する。
 また色都合、紙都合、版都合を考える。これは都合を考えた上で計画スケジュールを行う事で、4色機で、2色と4色を交互にスケジュールしてしまうとか、特色も同様で、できるだけ準備時間や後処理時間を減らせるような計画スケジュールを行える仕組みが必要である。そのためにも、前準備や後処理の時間を集計してロスの発見をする必要がある。

外注・仕入におけるロス

 営業発注は高くつく。これは営業は納期優先で値段交渉は後になるためである。値段は早く決めた方が有利で、出してからでは値段交渉は難しい。そのため営業に発注をさせない会社が増えてきている。
 発注金額は発注側が決めて、受ける方が合意する方が良い。下請け業者は値段を決めるのは結構大変であり、発注金額が入った発注書を業者は喜ぶ。これは金額が入っていることで、翌月の入金予定がわかるなど資金管理が楽になるためである。
 下請代金支払遅延等防止法(下請法)といのがあり、これは発注書に金額を入れて下請けを守るための法律であるが、これは逆に発注側が発注金額を決めて了解を取って発注してしまえるので都合が良くなる。

MISページ
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2003/04/09 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会