〜印刷界OUTLOOK2003（1）〜
●印刷会社数は前年より6.9％減少
経済のグローバリゼーションの進展，長期の景気低迷，デフレの進行などで企業間競争はますます厳しくなっています。多くの業界で生き残りを懸けた大きな企業統合・合併が起こっています。経済産業省「平成13年工業統計表 産業編（概要版）」によれば，従業員4人以上の全製造業の事業所数は，2001年は31万6267社で，前年比7.4％の減少となりました。1991年は43万414社ですから，この10年間で11万社以上が減少しました（減少率26.5％）。
従業員4人以上の印刷業は，2001年は1万5551社で前年比6.9％の減少となりました。この10年では，1991年が1万9044社ですから2割弱（18.4％）減少したことになります。これは景気低迷による売り上げの減少と競争の激化，インターネットの普及などで，印刷需要が他メディアへシフトしたことによる売り上げの減少，ビジネス環境の変化や技術革新への対応の遅れによる廃業・倒産などが要因と考えられます。全製造業に占める印刷業（従業員4人以上）の割合は，1991年の4.4％から2001年は4.9％へと微増しています。
●製版会社は10年間で激減
従業員4人以上の製版業の企業数は，2001年が2156社で前年比11.4％の減少となりました。1991年の3852社から，10年では44％と大幅に減少しました。これはDTP化が原因と考えられ，今後デジタルカメラからの入稿が増えると，いっそう製版会社には厳しい環境になるものと予想されます。
従業員4人以上の製本業は，2001年は1688社で，前年比で5.4％減少しました。10年前と比較すると17.2％の減少です。デジタル技術の影響は少ない分野ですが，印刷産業と密接に関係する業界ゆえに印刷業の不振が影響した形になりました。
出版・印刷関連・同関連産業の新聞業（従業員4人以上）は，2001年は770社で前年比5.1％の減少，10年前と比較して18.4％減少しました。出版業（同）は2001年は1628社で前年より6.1％の減少で，10年前と比較して2.2％の減少です。
印刷産業全体では，2001年は2万697社で前年より7.3％減少しました。印刷会社の規模別構成比（2000年）を見ると，10人未満が78.1％で，300人以上はわずか0.2％で中小主体となっています。
（プリンターズサークル 2003年4月号より）
2003/04/24 00:00:00