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1人が1年間に売り上げる額は?

〜印刷界OUTLOOK2003(3)〜

2003年4月1日

●売上高2年連続で減少

 経済産業省「平成13年工業統計表 産業編(概要版)」によれば,2001年の従業員4人以上の印刷業の売上高(製造品出荷額等)は,6兆7744億円と前年比で1.5%の減少となりました。バブル経済崩壊後低下していた売り上げは,1994年を底に増加し,1997年には過去最高を記録しましたが,1998年からは再び減少傾向にあります。景気の低迷を背景にしたデフレ経済の進行,受注競争激化による価格の低下,インターネットの普及などによる紙から他メディアへのシフトなどが要因と考えられます。
 従業員4人以上の製版業は5864億円(前年比3.6%減),製本業は2470億円(同1.8%減),印刷物加工業は1262億円(同1.6%減)となっています。印刷産業全体では,7兆7565億円で前年より1.7%減,10年前に比較すると10.2%減少しました。
 全製造業(従業員4人以上)の売上高は286兆7544億円で,前年比4.6%減となりました。
 新聞業(従業員4人以上)は2兆6197億円と前年比で0.3%の減少,出版業(従業員4人以上)は2兆1491億円で前年比で5.0%の減少となりました。

●印刷業の1人当たりの売上高は2237万円

 2001年の1人当たりの売上高を見ると,従業員4人以上の印刷業が2237万円(前年2222万円),製版業が1437万円(前年1409万円),製本業が1031万円(前年1089万円)となり,製本業を除いてはいずれも前年より増加しました。印刷産業全体では2029万円(前年2021万円),出版・印刷関連は2522万円(前年2445万円)となっています。印刷業は,厳しい価格競争がいわれていますが,企業淘汰や,リストラなどの効果が表れたとも考えられます。
 全製造業(従業員4人以上)では,3234万円(前年3272万円)となり,デフレ経済の影響か1.2%減となりました。この10年間の伸び率を見ると,全製造業では1991年の3003万円から7.7%増加しています。印刷業は2.2%(1991年2188万円)の増加,製版業は17.4%(1991年1224万)増加しました。
 業種・業態が違うために,印刷業が一概に他製造業より生産性が低いとはいえません。しかし,競争激化,受注価格の低下という厳しい環境のなかでは,CIM,MISを導入しての営業部門,製造部門,管理部門の効率化が必要になりつつあります。

プリンターズサークル 2003年4月号より)

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2003/05/03 00:00:00


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