本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

どんな得意先が多いのでしょうか?

〜印刷界OUTLOOK2003(4)〜

2003年4月1日

●得意先上位は卸売・小売・飲食店,印刷

 全印工連の「平成14年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,中小印刷業が2001年に受注した先の業種別売上高順位は,卸売・小売・飲食店で14.5%(前年比1.0ポイント増)を占めてトップとなりました。2位は印刷で11.7%(同0.7ポイント減)以下は新聞・出版11.4%(同1.3ポイント増),広告・放送・情報サービス9.3%(同0.8ポイント減),その他サービス業8.1%(同1.3ポイント増)と続きます。上位3社は3年連続で同順位。上位6業種の顔ぶれも変わっていません。
 ポイントこそ落としましたが,印刷会社が2位となり,「印刷産業の主要得意先の一つが印刷業」という図式は2001年も変わらず,長年にわたり11〜13%の範囲で推移しています。
 このところシェアを落としていたその他サービス業(電力・ガス・水道などの公共サービスを除いたサービス業全般)は,4年ぶりにシェアを上げました。官公庁は近年7%台で安定した得意先ですが,今後はe-Japan計画の進展などが受注状況に影響しそうです。

●各地で変わる上位業種の顔ぶれ

 以下,地域別の中小印刷業の得意先業種です。
・北海道:その他サービス業(19.1%),卸売・小売・飲食店(15.9%),学校・各種団体(14.4%)
・東北:官公庁(16.0%),卸売・小売・飲食店(13.1%),印刷(12.8%)
・関東甲信越静:卸売・小売・飲食店(19.0%),その他製造業(11.8%),官公庁(11.6%)
・東京:新聞・出版(22.9%),その他サービス業(11.8%),印刷(11.4%),広告・放送・情報サービス(11.4%)
・中部:食料品(17.3%),卸売・小売・飲食店(15.0%),印刷(10.6%)
・近畿:卸売・小売・飲食店(22.6%),印刷(11.2%),その他製造業(10.1%)
・中国:卸売・小売・飲食店(20.0%),印刷(15.5%),新聞・出版(12.5%)
・四国:印刷(18.9%),卸売・小売・飲食店(16.1%),新聞・出版(10.3%)
・九州:卸売・小売・飲食店(24.5%),印刷(14.4%),広告・放送情報サービス(13.2%)
 東京は地場産業といえる新聞・出版がトップです。各地域では上位にある官公庁が,東京,近畿ではランク外になっています。多くの企業が集中する大都市圏の状況が反映される一方,産業が少ない地方では官公庁が上位になる傾向が見られます。

プリンターズサークル 2003年4月号より)

「印刷界OUTLOOK2003」の目次へ

2003/05/06 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会