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外注にはどのくらい出していますか?

〜印刷界OUTLOOK2003(5)〜

2003年4月1日

●1社当たり約2億7700万円を外注に

 全印工連「平成14年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」では,回答企業604社の1社当たりの2001年の純売上高は10億8101万円で,外注加工費が純売上高に占める割合は,25.6%(2億7704万円)となりました。前年の25.5%から0.1ポイントの増加となりました。
 回答427社の外注加工費の内訳は印刷代が33.6%で最も高く,印刷会社の主要得意先が印刷会社ということを裏付けています。以下,製本・加工代が22.0%,その他17.9%,写真製版代10.7%,デザイン・イラスト・編集等9.5%と続きます。1995年以降は組版代,写真製版代は減少傾向にあります。これはDTP化により,これらの工程がDTP制作の中に取り込まれてしまったことが原因と考えられます。
 業態別では,出版印刷が印刷代34.5%,製本・加工代25.3%,写真製版代が13.2%,デザイン・イラスト・編集等3.6%です。商業印刷は印刷代35.4%,製本・加工代が21.1%,写真製版代が10.5%,デザイン・イラスト・編集等が11.6%です。出版印刷の場合は,得意先自体がデザインや編集を行うケースが多いのに対して,商業印刷では企画・デザインから印刷会社が受注し,その機能を外部に求めるためと思われます。このほか事務用印刷での印刷代比率が57.0%と,他業態に比べてその高さが目立ちます。

●外注費が高い出版印刷

 純売上高から外注加工費,材料費,商品仕入代を差し引いた加工高では,1社当たり5億2369万円となりました。また,就業人員1人当たりの加工高は9225万円(前年9542万円)となりました。
 純売上高に占める加工高の割合は,48.4%で,前年の47.9%から0.5ポイント上昇しました。商品仕入高5.0%(前年5.0%)は前年と変わりませんでしたが,材料費は20.9%(前年21.6%)と0.7ポイント減少しました。
 外注加工費と商品仕入高が低く,加工高の割合が高いほど利益につながります。
 回答555社の業態別外注加工費の割合では,トップは出版印刷で純売上高の33.5%,以下商業印刷の27.8%,包装印刷23.4%,総合印刷22.1%,事務用印刷17.7%の順です。出版印刷は製本などを外注に頼る割合の高いことが要因と思われます。


プリンターズサークル 2003年4月号より)
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2003/05/08 00:00:00


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