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ひと月に何時間働いていますか?

〜印刷界OUTLOOK2003(6)〜

2003年4月1日

●印刷業は年間約2112時間

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると,2002年の事業規模30人以上の印刷業の月平均労働時間(所定外労働時間を含む)は176.0時間で,年間では約2112.0時間となっています。前年の月平均174.6時間,年間約2095.2時間に比較して,月で1.4時間(0.8%増),年間で16.8時間の増加となりました。
事業規模30人以上の製造業全体では,月平均163.8時間(前年162.9時間),年間で約1965.6時間(同1954.8時間)となり,0.6%の増加となりました。印刷業も2年ぶりに増加しました。1990年代に入り,印刷業と全製造業の労働時間の格差は縮小傾向にありましたが,1998年以降再び拡大しています。サービス業や卸売・小売業などを含めた調査産業の総労働時間数は,年間で約1837.2時間で,製造業の労働時間数の多さが目立ちます。
諸外国に比較して労働時間が長いといわれてきた日本の製造業ですが,2000年の年間実労時間(製造業・生産労働者)の国際比較では,日本の1970時間に対して,アメリカ1986時間,イギリス1902時間,ドイツ1525時間(1999年のデータ),フランス1589時間となりました。1993年以降はアメリカと逆転しています。
印刷業の年間の総労働日数(従業員30人以上)は,241.2日で,製造業(従業員30人以上)平均の235.2日に比べて6日多くなっています。他製造業と違い,生産物の一つひとつがそれぞれ仕様や納期が異なるという特殊性のために,一律に予定を組みにくいことなどが理由として考えられます。

●所定内給与,定期給与ともに微増

「2003年版活用労働統計」(財団法人社会経済生産性本部 生産性労働情報センター)によると,2001年の従業員5人以上規模の印刷業の平均月間所定内給与(定期給与のうち残業代を除いた額)は,27万800円で,前年の26万3700円から7100円の増加となりました。また,残業代を含めた定期給与ベースでは,2000年の29万3200円から2001年には30万300円と7100円の増加となり,1998年(30万2100円)以来3年ぶりで30万円台を回復しました。一方,全製造業平均の定期給与は,2000年の29万5200円から2001年は,29万4600円(所定内給与26万7500円)と600円減少しています。


プリンターズサークル 2003年4月号より)
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2003/05/10 00:00:00


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