4月23日に開催したMIS懇談会共催セミナーでは、「見積が威力を発揮するのは」というテーマで、株式会社ユーメディアの専務取締役佐藤光洋氏より,自社で開発した印刷業務管理システム「Kon太」のお話を伺った。
「Kon太」システムの最大の特徴は,印刷業務の開始は、営業担当者が行う社内事前見積(以後見積計算と表現)を行いその結果を見積データベースに登録するところから始める点である。登録された見積データベースは、受注データベース、売上データベースと変化しいろいろな活用を行っているという内容であった。
このシステムの前進は1989年に開発した業務管理システムである。当時工場では年度末に仕事が集中し進行管理が非常に混乱するため、この解決にオフコンベースで作った工程管理システムである。1990年代後半には営業情報系LANシステムの運用を始め、営業職や管理職にパソコンを配備し営業を中心にパソコンを利用して業務改善を目指していた。このような状況の中で、1999年にオフコンからクライアントサーバへ全面改定を行うことになり今のシステムを考えた。従来の工程管理では金銭情報がついていないため進捗管理で終わってしまい、分析などができないことから、最初から金銭情報を付加した営業サイドにたった開発を行うことにした。
この結果、見積計算から受注、工程管理までの一元化を実現し、さらにその後人事評価システムを乗せるなどを行ってきている。またシステムの運用は使っていると使い勝手に不都合が発生してくるため、常に社内でカスタマイズを行える体制作りをしている。
システムの特長は、印刷業務の開始を営業が見積計算を行いそれをデータベースにするところから始める点である。これはすべての情報が見積データにあるという考え方で、見積時に入力したデータを最後まで利用する。まず見積計算の項目を入力し見積カードを作成すると見積コードが発生する。そして見積計算の項目は基本的には受注情報と同じなのでこれが受注コードに置き換わる。次にこれが工程コードになり、終わって納品する段階で売上コードになるといった仕組みをとっている。これは同じ情報を二度入力しないという考え方である。
受注情報は既に工程情報までは含まれるが、細かい作業指示情報はない。各工程ごとの作業指示情報は、作業指示入力という段階で行い、外注や原材料の購買のための発注システムと連動していく。またこの情報は販売管理システムへつながっていくことで、売上、請求、売掛金管理と連動していく。販売管理システムでは、見積項目と同じデータを扱うことで売上分析集計や部門別損益管理を行うことができるようになっている。
見積計算で入力された情報は各工程、外注と材料発注と連動させることですべて物件に連動させるようになっている。
営業担当者は顧客に見積を提出するしないにかかわらず必ず見積計算の入力を行い見積カードを起こす。この考え方のベースは、営業が社内基準でコスティング(見積計算)を行い、印刷物の工場からの仕入値を算出してから、それをベースに売値を営業判断でつけていこうという考え方からきている。
この運用は以前から手書きで見積カードを発行していたことを、コンピュータに置き換えた仕組みである。この結果営業担当者は非常に楽になっている。
このような社内振替価格の運用は、経営管理の視点でも工場が営業の売値で左右されるのは好ましくないということから、社内基準で見積を行いそれに対して売値を決めた方がいいと考えているためである。
受注後は、確定仕様、変更事項を製造部門で訂正入力を行い事後計算を行っている。
社内振替価格は、部門損益管理のベースであるため、価格の決め方をどうするかがポイントになってくる。このため物価資料や市場価格などを参照にしながら客観性のある料金設定を行う必要から、営業と製造部門が納得し尊重できる料金設定を行うための社内振替価格委員会を設けて定期的に料金の見直しを行っている。またこの価格表は紙ベースでも作成して配布している。
すべてが受注単位で集計されているので、このデータを利用して売上分析を行っている。まずは物件単位での粗利管理を行っている。これは得意先・売上計画別、営業単位・グループ・チーム・部門別、受注種別、業種別などの売上分析に利用している。
次に部門別売上、部門別粗利、加工高、内製化などで集計データを活用している。
部門損益管理については3つの管理指標で行っている。ひとつは部門売上・粗利、次に設備ごとの生産指数、そして部門として残業時間と時間あたりの売上といった3つである。特に最近は生産量が減っているのに残業時間が減っていないということがあり、時間あたりの売上を見ることが大切になってきている。
これらは目標管理の指標として利用している。
このシステムの特長となる見積計算ソフトは、単価テーブルと見積項目、様式などを固定化している。但し特値やランク付けなどを顧客別に設定できるようにしてある。
利用方法は、基本仕様とサイズを入力すると、メイクアップやCTPデータ処理といった工程情報が出てくる。そしてメイクアップなどについては有無の項目があり、有りの場合には難易度としてABCランクをつけていく。
CTPデータ処理、カラープリント、DDCPなど基本仕様に合わせて、仕上りサイズ、色数、台数などが自動で設定されるが、金額は表示されていない。その中から必要な項目、例えばカラープリントで校了にする場合、DDCPは不要などのチェックをすると、初めて金額が自動で表示され、集計される。
また印刷加工についても、仕上がり寸法や製本形態などの基本仕様を入力しているので、印刷機は枚葉A全、断裁、製本、加工などが仕上がり寸法と製本形態から自動で決まるようになっている。
この結果、見積計算書ができあがり見積データベースに登録する。
その後見積計算書の内容で受注コードが取られる段階になり、外注に出す部分で外注先と外注金額が追加され受注カードとなる。
2003/05/14 00:00:00