経済産業省の「平成13年化学工業統計年報」によると,2001年の一般インキ(印刷インキの合計から新聞インキと補助剤を除いたもの)の販売量は,43万6522トンで,前年より0.1%と微増しましたが,販売金額は前年0.7%減の3014億3000万円となりました。最近5年間の推移を見ると,一般インキは1997年の42万4254トン,販売金額3001億9700万円から数量で2.9%増,販売金額では0.4%の増加となっています。
印刷インキの構成比を見ると,平版インキが32.1%,プラスチックフィルム印刷などに使用する特殊グラビアが27.4%となり,この2つで販売量の過半数を占めます。以下は新聞インキ11.2%,その他インキが10.1%,ゴム凸版インキが5.3%と続きます。10年前の1991年と比較すると,平版インキの占める割合が5.6ポイント伸び,特殊グラビアが1.2ポイント減少しています。新聞インキは0.2ポイントの減少,その他インキが4.4ポイント増と大きく割合を伸ばしています。
全印工連の「平成14年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,2002年の材料費のうちインキ代の占める割合は,7.3%(前年7.5%)となっています(回答424社)。業態別では,出版印刷12.0%,商業印刷8.0%,総合印刷6.6%,事務用印刷6.0%,包装印刷5.6%となりました。
一般インキ品目別出荷量の販売数量上位3品目を見ると,平版が販売数量16万626トン(前年比1.6%増)販売金額が1165億8900万円(同1.7%減),特殊グラビアが販売数量13万6818トン(前年比0.5%増)販売金額660億8400万円(同3.5%増),その他のインキが販売数量5万711トン(同5.2%減)販売金額705億8200万円(2.2%減)となりました。カード印刷などに使用されるその他のインキは,近年増加傾向にありましたが,2001年は減少に転じました。一方,減少傾向にあった金属印刷用インキは,前年より増加しましたが,10年前に比較すると印刷インキ出荷量に占める割合は大きく落ちました。
白黒写真フィルム(特殊フィルム:主に製版で使用される)の販売量は,1億2245.2万m2(前年比3.2%減)となっています。
2003/05/19 00:00:00