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生産管理システムの見直しは受注入力と進捗管理から

4月25日に行ったセミナー「生産管理システム見直しの必須ポイント」では、近年まで株式会社東京印書館の情報システム部門で、印刷業務のシステム化を長年社内SEとして推進し統合生産管理システムの構築を行ってきた西村光生氏から、そのアプローチにおけるポイントについて話をしていただいた。東京印書館は顧客に出版社が多いことから定期物の仕事が多く、このような仕事に対応したシステム構築でもある。
このセミナーでは、今まで手がけてきた経験から生産管理システムをどう考えるか。また工務の業務改善をどう行うかという視点で、生産管理システムの構築のポイントをまとめてもらった。
生産管理システムは、大きく分けて2つのフェーズがある。ひとつは制作を開始するための作業指示を入力し制作のための工程設計、日程設計を行い作業を開始できるようにする部分である。もうひとつは制作が開始された後、スムーズな進行をさせるための工程進捗を管理する部分である。
この報告レポートは、セミナーの中からこの二つの部分のシステム化のポイントを要約したものである。

受注入力のポイント

受注入力の位置付け
一般的には印刷物の制作を始めるための情報として、営業が製品の仕様やどのように制作を行うかを受注入力として行う。ここで考えなくてはならないことは、作業指示として営業が制作に必要な情報をきちんと入れることである。そして営業活動の指標として管理できる情報にするため、製品仕様に対する仕切値を入力することである。

システム化では入力のしやすさを実現
東京印書館では、頁物が多いので特に作業指示を営業がきちんと入れる必要があり、そのため受注入力画面は3つの部分から構成するようにしている。
まず基本情報として、どの顧客からどういう仕事(製品)を受注したのかという、受注基本部分の入力を行う部分が上の三分の一になる。その下にはその製品は、どのような部品から構成されるのか、またその制作はどのような工程で行うのかという一般仕様の入力部分になっている。例えば表紙、本文、その他の部品などからひとつの製品が構成されるがその制作工程はどうするのかを入力する部分になってくる。
最後の三分の一には、その部品の制作工程の細かい部分として、製版はどうするのか、加工はどうするのかという作業指示部分になってくる。これは一般仕様の各工程をクリックしながら各詳細を入力していく。そしてこの部分には、価格計算のための細かい計算式が組み込まれている。例えば印刷仕様では印刷部数で計算したり、通し数で通単価で計算したり、色数などで版数で版単価から計算したりするなど、仕様により異なった計算式が組み込まれているような部分である。さらに細かな工夫としては、出版の仕事では、印刷した物をどこの加工所に納品してくれといった指示が必要になる。そのため、部品の印刷の指示のところで、納品先を入力できる画面が出てきて、どの加工会社のどの工場に納めるなどの指示をしやすくすることができるようになっている。

ポイントとして考えたこと
営業に正確に細かい仕様と作業指示を入力してもらう必要があるが、これはかなりの情報を入力することになり、この操作をいかに軽減させるかという工夫が大切である。そしてこのような入力部分は場合によっては工務と分担し、さらに工務が日程計画を行い作業の手配をできるようにすることである。
もう一つは受注情報が営業管理の指標となるような情報とするため、受注に対する仕切値の計算を行いこれを利用して粗利評価を行えるようにする。これは入力された一般仕様に対して、仕切単価をベースに自動で計算し表示されてくるようにすることで、労力を掛けずにこれを営業が指標として利用できるようにする。
また、作業指示などは修正も多いので修正日という項目を設け、修正日によりどの指示が最新情報かわかるようにして、間違いを減らす工夫も必要である。
これらが受注入力、作業指示入力の部分である。

工程進捗管理のポイント

工程管理機能の位置付け
実際に作業指示が入力された後は、制作を開始し各工程や外注先を経て納品されるまでの工程進捗管理の機能になる。ここでは工場と営業、さらには外注先との間の情報共有を目指している。そのため営業の受注データベースのコピーに日程情報がついた形で工程進捗情報として共有される。

システム化ではリアルタイムな情報共有を実現
東京印書館のシステムでは基本的に、受注登録された後、印刷工務が印刷の日程を組む。これは印刷予定として、社内のどの機械でいつ刷るのか、またはどの外注先へいつ発注するのかなどを組み、それを逆算して製版の日程を組み、校正の日程を決めて行き、この情報が共有されるようになる。
具体的なシステムはアクセスを利用した画面になっており、絞り込み条件を入れると結果が、一部品3行の表で画面に出力される。1行目は受注NOや品名などの基本項目があり、二行目に予定や実績などが入る。三行目には担当者などが入り、メッセージを伝える部分もある。さらにクリックすることで部品のさらに詳細な進捗情報がわかるような仕組みになっている。ここでのポイントは確定発注という状態になると修正ができなくなることである。まず仮発注という段階があり、予定日、号機、外注先などがわかる。本発注となると下版、刷版、用紙手配などの日程が入ってくる。このような情報を共有しながら営業や工務が作業を進めていくのが進捗管理になる。
さらに必要と思われる機能としては、出校物に対して戻ってきた物がOKを貰ったものかまたは修正するのかがわかるような、現物と指示を連携して管理できるようにすればさらに間違いはなくなる。
進捗管理には、データを集計する仕組みが必要になる。集計するものは作業の進捗ばかりでなく、不稼働分析が行えるような稼働状況も集計する工夫が必要である。東京印書館では自動で収集できる装置としてプロレコを入れて連動していたが、コストを掛けずに行うには、手で入力して集計をする。これもできるだけリアルタイムで集計できる方が望ましいので、バーコードリーダやパソコンや端末などから仕事が終わる時に入力して貰う必要がある。
また進捗管理では、社内だけでなく外注の進行管理も必要である。東京印書館では、外注発注も自動的に発注書をファックスで送れるような仕組みも入れて、外注先へ発注情報だけでなく納品先の指示や変更など必要な情報を自動的に送るようにしてきた。
さらにこのような発注情報をWebを利用し外注先とも情報共有することを行い、発注の指示や完了報告などの進捗情報、納品先の変更などもスムーズに伝わるようにした。この効果としては、工務への問い合わせが減り、連絡もタイムリーになることから今までの時間のロスを減らすことも実現できている。

進行管理や情報収集の応用として外注先の作業軽減のためのサービスも行った。自動で作業伝票を発注し、終わったら完了報告が入力されることから、どの外注にいくら仕事を発注しいつ完了したかがデータとして取り置かれている。これを自動で月単位でまとめて発注請求書の明細として集計して外注にサービスで送ることで、外注先はその月の発注内容を整理して請求書の明細を作るという手間を省けることになった。
社内でも同様に納品されたならば、自動で売掛情報となるように営業へ納品情報を伝えて、売上、請求処理へつなげていくのを自動で連携できる。
このように、情報を活用した自動処理の機能も含めて、進捗管理機能として実現した。

ポイントとして考えたこと
進捗管理は作業の流れをスムーズにする必要があるため、できるだけ自動的に進むようにすることである。従来工務の担当者が調べたり電話で連絡していたことを、情報共有することで連絡を行わなくてもすぐにリアルタイムで次の進行が把握できることである。
最終的には進行の流れと流れていく物を一緒に管理することでさらにロスやミスは減ってくるはずである。そこまでは実現できなくても、次の作業を把握し変更指示や準備などを効率よく実現したり、そのための管理費用を減らすことや、さらには収集したデータを経営資料や他への利用ができるようにするなどは必要である。そのためには進行情報の日時や処理にかかった時間や処理した数など必要な情報を収集しそれを活用できるようにすることである。

MISページ
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2003/05/22 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会