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出版物はどのくらい発行されているのでしょうか?

〜印刷界OUTLOOK2003(11)〜

2003年4月1日

●書籍・雑誌で年間約39億6000万冊

 書籍・雑誌の販売額はこの数年減少し続けていますが,2002年も前年比0.6%減で6年連続のマイナス成長となりました。
 全国出版協会・出版科学研究所の「出版月報」2003年1月号によると,2002年の書籍の推定販売部数は,前年比1.3%減の7億3909万冊となりました。
 しかし,推定販売額は9490億円で前年比0.4%増となり,6年ぶりにプラスに転じました。これは,比較的高価なハリーポッターシリーズの大ヒットが貢献したといえるようです。
 一方,雑誌の推定販売部数は32億1695万冊で,前年比で2.1%の減少となりました。週刊誌は前年比2.5%減の12億1618万冊ですが,販売金額では同0.1%増で,5年ぶりにプラスとなりました。月刊誌は同1.9%減の20億77万冊となっています。雑誌全体の販売金額は前年比1.3%減の1兆3615億円で,その内訳は月刊誌が同1.7%減の1兆194億円で,週刊誌は同0.1%増の3422億円となりました。書籍と雑誌の合計では,前年比0.6%減の2兆3105億円で1997年以降6年連続で前年比割れです。

 

●止まらない市場縮小

 依然として続く個人消費の低迷,インターネットや携帯電話の普及などによる情報入手の多様化と,その通信費の増加などが,書籍・雑誌の需要に影響を与えているといわれています。また,流通の部分では「新古書店」の利用などが高まっていることも,販売数に影響しているといわれています。今後は,少子化などの影響で出版市場そのものの減少もますます進むと予想されます。また,ブロードバンドが普及しつつあり,コンテンツ配信ビジネスとしての電子本(eBook)の動向なども注目されます。
 2002年の書籍の新刊点数は,7万2055点と前年比4.4%増で3年連続の増加で,ついに7万点を突破しました。しかし,新刊1刊当たりの推定発行部数は5800冊と前年比で3.3%減で1点当たりの部数は減少傾向にあります。
 雑誌の創刊点数は前年より30点増加して197点,休刊は18点減少して152点ですが,比較的創刊の新しい雑誌の休刊も多く,短命化傾向にあるようです。出版傾向としては定期誌が不振なためか不定期誌の発行が増えており,分冊百科の発行も増えています。


プリンターズサークル 2003年4月号より)
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2003/05/24 00:00:00


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