本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

1年間の広告費はどれくらいでしょうか?

〜印刷界OUTLOOK2003(12)〜

2003年4月1日

●2年連続の減少,厳しさ増す新聞広告

 電通の「平成14年日本の広告費」によると,2002年の日本の総広告費は,前年より5.9%減の5兆7032億円となり6兆円の大台を割り込み,2年連続の減少となりました。電通では,雇用・所得環境の低迷,デフレ経済の継続,株価下落などでの景気後退感が強まるなかで,広告費が抑制されたとしています。ソルトレーク冬季オリンピックやワールドカップなどのビッグイベントも,結果的には広告費減少分をカバーするには至らなかったようです。
 マスコミ4媒体の広告費合計は,前年より7.6%減で,3兆5946億円となりました。デジタルカメラが好調な「精密機械・事務用品」を除き他業種が全般に低調だった新聞は,前年より11.0%の大幅減となり1兆707億円,テレビは6.4%減の1兆9351億円,雑誌が3.1%減の4051億円,ラジオが8.1%減の1837億円です。前年最も減少率が高かった雑誌広告が減少幅を小さくし,ややもち直しました。「女性誌」のほか,「スポーツ・趣味」分野が好調で,これはワールドカップの時期に大幅に売り上げを伸ばしたサッカー誌などの影響と考えられます。

●SP広告は2年連続の減少,DMも4年ぶりに減少

 DMや折り込み,POPなどのSP(販売促進)広告費は1兆9816億円で,前年より3.3%減となりました。
 DMが前年比4.5%減の3478億円で,3年連続の増加から減少に転じました。折り込みは同0.3%減の4546億円,屋外が同3.5%減の2887億円,交通が5.3%減の2348億円となりました。POPが同1.3%増の1720億円で,SP広告費の中で唯一前年を上回りました。展示・映像他が5.3%減の3278億円,電話帳が5.6%減の1559億円です。
 このほかでは,衛星メディア関連広告費(CS放送,CATV,BSデジタル放送など)も前年比9.8%減の425億円と前年の77.1%増から減少に転じました。CS,CATVは増加しましたが,BSデジタル放送が31.9%減と大幅に減少したことが影響しています。インターネット広告費は845億円で,前年比15.0%増と拡大幅は小さくなっていますが,ブロードバンドの普及やユーザ拡大が好影響となっているようです。
 広告主の業種別広告費(マスコミ4媒体のみ)では,「精密機械・事務用品」(前年比4.1%増),「化粧品・トイレタリー」(同1.2%増)のみが増加しました。


プリンターズサークル 2003年4月号より)
「印刷界OUTLOOK2003」の目次へ

2003/05/26 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会