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DTP関連資格には何がありますか?

〜印刷界OUTLOOK2003(14)〜

2003年4月1日

●定着したDTPエキスパート認証試験

 印刷物の制作がDTP化したことにより,DTP関連資格に対する注目が高まり,いくつかの資格制度が出てきました。
 日本印刷技術協会が主催するDTPエキスパート認証試験制度は1994年にスタートし,DTP関連資格では最も歴史があります。
 この試験の目的は,激しく変化する情報技術環境のなかで,印刷メディアを時代に合わせて革新していく知識を有する人材の育成にあります。また,DTP化で印刷業界以外の人が印刷物制作に関わるようになり,より良い印刷物を制作するための知識の習得も求められています。
 第18期の業種別受験者数において,印刷・製版が61.0%,一般企業・個人が22.1%,メーカー・ディーラー14.0%,出版・デザイン3.0%となりました。印刷・製版が初めて6割を超えましたが,「DTPエキスパートのカリキュラム」を社内の教育制度に位置付ける企業が増えているためと思われます。
 また,営業担当者の取得が増えていますが,これは顧客側にも取得する人が増えたことにより,印刷関連の資格として広く認知されるようになったためと思われます。

●注目高まるDTP関連資格

 DTPの国家検定としては,厚生労働省の技能検定制度のなかに「製版(DTP作業)」があります。1級と2級の等級に分かれ,受験するには,1級の場合12年以上,2級の場合3年以上の実務経験が必要です。合格者は,職業能力開発促進法に基づき「製版技能士」と称することができます。試験は実技試験と学科試験があります。
 (社)日本経営協会の主催するDTP検定は,I種,II種,III種の3つに分かれており,レイアウト,編集,デザインなどのオペレーション技術と知識を問うものです。I種は商業印刷物の作成を行うデザイナーやオペレータなど,プロフェッショナルが対象です。II種は企画・編集職や企業内広報職など,主にディレクションを行う人が対象で,III種はプレゼン資料など,プリンタ出力を伴う印刷物の作成を行う営業職や事務職が対象です。I種は受験資格として2年相当以上の実務経験などが必要です。試験は筆記と実技試験があります。
 このほかにメーカーなどが行う検定や資格制度があります。


プリンターズサークル 2003年4月号より)
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2003/06/01 00:00:00


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