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グラフィックアーツのIT戦略 ビジネスプロセスの共有

同じ90年代にデジタル化をしたアメリカと日本では,その後の展開に天と地の開きができてしまった。アメリカはWEBの隆盛のようにクロスメディアからECへと技術への投資が好循環してるのに対し,日本はデジタルによるコストダウンで次のステップに行く投資もままならない悪循環に陥っている。

グラフィックアーツもネットワーク上のビジネスとして発展する可能性を持ちながら,日本的ビジネス風土の上にデジタルを接木したのでは実りが得にくかった。つまり同じデジタル化をしても,勝ち組になるためには過去のモデルが役立たず,土台から作り変えなければならないのである。

近年コンピュータとネットワークの利用で大きな変化を遂げた典型はコンビニと宅配便であるといわれるが,これらは駅前の商店や運送店が発展してできたものではなく,今でいうところのEC,eBusiness,電子商取引のモデルを築いた先駆でもある。

この情報伝達の機能性を高めてビジネス市場を変えるIT戦略モデルが他の分野にも及びつつあるが,印刷まわりで考えると今後はどうなるのだろうか? PAGE98ではネットワーク化したグラフィックアーツのビジネスの予測をしたが,すでにアメリカでは具体的な流れとして動き出している。

グラフィックアーツのIT戦略の典型は,第1に開かれたモデルによって,第2に全体最適を目指し,第3に顧客とともに価値を高めることである。過去には自社の技術やサービスを向上/特化させて他社との差別化を指向した。しかし,技術は短期間に移り変わり,また自社ですべてはできず,顧客に対して情報の隠蔽はできないため,差別化は長続きせず,結局どこも同じような結果になってしまった。

情報技術の進展はものごとを平準化させるので,自社の価値を押し売りする戦略は難しく,共にWinWinの新しい関係に価値を見出すような思考の転換が必要である。つまり一時的な価値による顧客満足ではなく,継続的に価値が高まるように,顧客の業務プロセスに沿った改善によって,顧客の内的価値を高めれば,そのことを通じて同時に相手からみた自社の価値を高めることができる。

今日のグラフィックアーツ業界のテーマは,イントラネット・エキストラネット,XML,データベースという技術を共通基盤として,価値あるプロセスを顧客と一緒に築くことではないだろうか。バリューチェーンから,全体最適のサプライチェーンマネジメントへの進展。またそれを遂行するため戦略的提携をして顧客とビジネスプロセスの共有ができるようなIT戦略をもたなければならない。

PAGE2000では,デジタル機器の導入に加えて,ビジネスの革新をして,21世紀の勝ち組となろうとしている方々のために,2月2日から3日間にわたる情報交流のセッションを用意しました。ぜひご参加ください。



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1999/11/17 00:00:00


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