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企業の受験サポートに関するアンケート報告 2005

●調査方法等

  1. 時期:2005年6月1日〜6月17日
  2. 対象:第23期DTPエキスパート認証試験合格者 745人
  3. 方法:合格通知に同封しての郵送によるアンケート
  4. 回答数:395人(回収率 53.0%)

●集計結果

 まず,回答者が所属する企業の業種を聞いて「印刷業界関連」か「それ以外」の二つに分けた。

    所属業種
     回答数  比率 
    A・・・印刷・関連企業(メーカー・ディーラー等含む)  270  68.4% 
    B・・・非印刷企業(個人含む)  125  31.6% 

 7割が印刷関連企業に属し(以後このグループを「A」とする),残りの3割が非印刷(同様に「B」とする)であった。2年前,および4年前に行った2回のアンケートの業種比率と全く同じ結果であった。

 

【設問1】何回目の受験で合格しましたか?

    所属業種
    1回目
    2回目
    3回目以上
    A・・・印刷・関連企業
    197(73.0%)
    53(19.6%)
    20(7.4%)
    B・・・非印刷企業
    103(82.4%)
    19(15.2%)
    3(2.4%)

 1回の受験で合格する人はBグループが8割以上で,Aグループを上回っているのは,スクールで対策講座を受講した人が多いためと思われる。両グループともに2回目も挑戦している人が結構いるが,3回目以降となるとAとBで差が出てくる。

【設問2】本資格取得の動機は?(複数選択可)

    選択肢
    ・自己啓発・実力試し
    162
    62
    ・実質的な勉強になる
    134
    59
    ・会社の業務命令
    87
    2
    ・社内の資格制度,昇進・昇格のため 
    59
    2
    ・資格の将来性をみて
    58
    43
    ・知人等からのすすめ
    13
    8
    ・転職の準備のため
    12
    74
    ・印刷物の内製化に取り組むため
    3
    6
    ・その他
    6
    4

 Aでは「自己啓発」,「勉強のため」次いで「業務命令」さらに「社内の資格制度・・・」がトップ4で前回の調査から変化は無い。
 「転職準備のため」がBグループで最も多いのは当然であろうが,Aグループでも前回よりランクアップしてきた。
 ちなみに,この第23期試験において,全受験者(1522人)中,40%の610人(76社)が「企業受験申請」での受験であった。

「その他」の回答

    ・印刷発注者としての知識向上のため,社内報を担当するため。
    ・入社条件となっている。
    ・就職活動に役立てるため(新卒)。
    ・仕事に対して自信を持ちたかった。
    ・DTPというものを知る為の一つの手段。
    ・DTPスクールからの紹介。
【設問3】受験対策で当てはまるものは?(複数選択可)
    選択肢
    ・各種参考書/問題集
    193
    99
    ・会社での勉強会
    123
    5
    ・指定講座等のスクール
    66
    99
    ・直前模擬試験
    56
    24
    ・独学
    53
    16
    ・通信添削模擬試験
    23
    9
    ・通信教育
    14
    3

 勉強の手段については,前回のアンケートとほとんど同じ回答であった。
 業界の人は「参考書」を利用して「社内勉強会」で学ぶパターンが最も多くなっている。社外の「指定講座」を受講した人も多いのは,会社単位で出張指導を受けたケースが考えられる。

【設問4】受験に際しての会社からのサポートは?(複数選択可)

    選択肢
    ・受験料の全額負担
    184
    10
    ・社内勉強会の開催
    92
    1
    ・特になし
    64
    115
    ・試験会場までの交通費負担
    47
    5
    ・受験参考書等の購入費負担
    42
    3
    ・社外(指定講座など)講習会の受講料負担
    24
    4
    ・直前模擬試験または通信添削模擬試験の受験料負担
    17
    0
    ・受験料の一部負担
    7
    0
    ・その他
    7
    0
    ・受験のための宿泊費負担
    6
    0

 Aで「特になし」との回答以外で,会社が何らかのサポートしている割合は76.3%。

「その他」の回答

    ・合格の場合のみ受験料全額負担。(同様回答7)
    ・課題制作のため,平日・休日の会社のパソコン,プリンター使用。
【設問5】資格取得後の会社の対応(複数選択可)
    選択肢
    ・特になし
    141
    122
    ・一時金の支給
    83
    2
    ・社内報等への掲載
    28
    3
    ・資格手当の支給
    22
    2
    ・社内表彰
    11
    0
    ・その他
    8
    0
    ・昇進
    1
    0
    ・希望部署への異動
    0
    0

 これまでの調査でも「特になし」がいつも最も多い。DTPエキスパートはプロとしての知識のベース,持っていて当たり前ということが前提にあると考えられます。
対応として最も多かったのは「一時金の支給」で,最低5,000円から最高200,000円まで金額は様々で,平均すると23,750円である。
「資格手当」は少ないところで2,000円,多いところで20,000円で平均7,125円であった。

「その他」の回答

    ・社内講習会を依頼される。
    ・賞与ワンランクアップ。
    ・社内試験資格に必要。
    ・合格お祝い会会費負担。
    ・名刺の支給
 

●その他自由意見

・試験会場を増やしてほしい。 (同様回答2)
・試験問題を持ち帰り、正答をチェックしたい。 (同様回答4)
・試験範囲が広すぎると思ったが、今回改めて理解した事が多数あり、実践で役立っています。 (同様回答45)
・久しぶりに本気で勉強し、学生気分を思い出しました。仕事の合間や退社後の勉強は辛いものでしたが、いい経験になりました。
 また最近、憶えた事を忘れがちなのでもう一度参考書を読み直そうと思っています。 (同様回答2)
・現状では閉ざされたサークル内の資格といった印象が強く、今後幅広く世間に認知される制度となるよう期待したい。 (同様回答2)
・過去問題の公開。課題もその添削の結果をFeedBackしてもらえないでしょうか。何を間違えたのか、何が足りないのか、わかりずらい。
・資格試験の勉強は普段取り組んでいる仕事とはいえ、改めて体系立てて学習できてよかったです。
 いろいろな部署を経験しましたが、どの部署でも活用しないような分野が一部あったのも事実です
・印刷業界営業職を25年経験して、時代の流れを感じ受験しました。私が認証された事により、若手達も一層やる気になったようです。
 これからのデジタル時代にお得意様が満足していただける物作りをするために知識を身につけていきたいと思う。
・試験問題数に対し与えられる時間が少なく、問題集を暗記した人が合格するように思えました。
 また、筆記試験の合格者のみ課題の受験資格を得るようなシステムが良いのでは、と感じます。
・個人受験者にとって受験料が高額で受験しずらい。出題範囲や方法がマンネリ化してくると制度自体が陳腐化しないか不安である。


 

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2003/09/01 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会