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製品カタログ制作の新しいワークフローを採用


製品データベースワンソース化の必要性
 私たちのような制作会社には,今まで以上に,ホームページ,CD-ROM,印刷物をワンソースから作成するために必要な「製品データベース一元化」を実現する提案力が求められています。
 そして,これと同じく重要なのが,印刷発注企業の原稿作成負担を軽減し,赤字要因をあらかじめ排除するようなワークフローの構築提案です。
 YKK AP株式会社様の商品カタログ制作のワークフローを例に,印刷発注企業と受注企業の両者の原稿作成負担と赤字指示負担・赤字修正負担を軽減するための一つの方法をご紹介します。

達成目標は,原稿作成と赤字指示負担の軽減
 ドア・窓・エクステリアなどの建築・建材を取り扱うトップメーカーであるYKK AP様は,例えば,春・秋発行の「シリーズカタログ」と年に1回発行する「総合カタログ」などのように,定期的に改訂発行されるものを含め,住宅用だけに限定しても何十種類もの商品カタログを制作しています。
 新規に作成する場合の原稿作成の膨大な負担のほかに,改訂時にも「今回の改訂時までの販売終了商品・新商品・スペック変更商品を調べ,必要修正個所を洗い出し,すべてを印刷物と突き合わせて赤字指示を入れる」という作業が必要であり,担当者の原稿作成に掛かる時間と手間は膨大です。
 そこで,「製品データベースを構築して自動レイアウトする」「商品価格は校正紙と価格データを突き合わせながら赤字指示を行っていては間違いの危険が大きく面倒なので,プログラムで価格データをマッチング処理して自動更新する」という手法を採用しました。

  原稿作成支援と製品DBの構築
「製品データベース」の構築
 →作成するカタログと掲載する製品情報をデータベース(DB)で管理します(Microsoft Accessを使用)。
■製品情報管理
 製品情報は,「シリーズカタログ」「総合カタログ」の双方に,最新の情報でレイアウト処理できるように管理します。DBの専用入力画面「ドアマスター」入力ツールを使用し,製品データの追加・修正・削除を行います。
■ページ台割設定
 カタログごとのレイアウトパターン,ページに配置する製品・オプション表の設定は,DBの専用入力画面「ページマスター」入力ツールを使用し,設定を行います。
 原稿作成担当者は,ページに配置する商品名を指示するだけで,製品のスペック情報の原稿作成をする必要はありません。


自動レイアウト処理・価格マッチング処理
1)オプション表のパーツ管理と自動入れ替え
 →各ページに共通して使用されるオプション表をDBでパーツ管理します。
 製品に付属する「オプション表」は,同一の表を複数ページで使用するため,パーツデータを作成し配置します。修正が入った場合は,元のパーツデータを修正し自動再配置を行います((株)シンプルプロダクツ製WAVE2002を使用)。
2)レイアウト処理プログラム
 →製品DBからの自動レイアウト処理。
 DBの専用画面から,作成するカタログを選択し,自動レイアウト処理を実行します。
 「ドアマスター」で更新された最新の製品情報を,「ページマスター」で設定されたレイアウトパターン・配置情報に従い,ページアップを行います(WAVE2002を使用)。
3)価格マッチング処理プログラム
 →レイアウト済みデータの価格を自動更新。
 レイアウト済みデータの製品価格欄には,マッチング処理用の記号が埋め込まれています。YKK AP様が管理する「最新の価格データ」と価格マッチング処理プログラムを用いて,価格欄の記号を最新価格に自動更新します(WAVE2002を使用)。


今後は,ASP=インターネット回線を利用して,YKK AP様および当社(制作会社)の両方からのデータ更新ができるように発展させ,改訂作業の一層の効率化を図っていく開発計画です。
■関連情報
株式会社 フレイマーグループ
YKK AP株式会社

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『プリンターズサークル 12月号より』

2003/12/09 00:00:00


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