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流通業を基点とするグリーン調達の広がり

流通業界で、安全衛生に関して新しい動きが見られ始めた。ジャスコなどのイオングループ、イトーヨーカー堂が他の流通に対して安全衛生面での差別化戦略を始めている。生活協同組合である首都圏コープ事業連合会は、そのガイドラインの中で、パッケージにいたるまでフタル酸エステル、環境ホルモンのような化学物質についてはppbオーダーで調査をしてリスクの少ないものを使うと謳い周知徹底している。

相次ぐ食品の不祥事やテレビ番組に見られる健康ブーム等によって、身近な製品に使われている化学物質とその影響などへの関心が高くなっているからである。それだけでなく、行政が補助金を出して研究機関に環境ホルモンに関する影響調査を依頼してきた結果が昨年当りから出てきており、その結果がたとえば「プラスチック樹脂から出るビスフェノールA、胎児に影響の恐れ」といったタイトルでマスコミから提供されるようになってきた。現在は、微量分析技術が進歩しており、従来であればND(ノンディテクトnon-detect 不検出)とされたものが、その量的水準が問題であるか否かに関わらず数字で表現されるようになり、消費者一般の関心はいやがうえにも高まらざるを得なくなってきている。

さらに、意識の高い消費者が情報を得ようと思えば、インターネットを使って国境を超えて法律の内容や運用状況からさまざまな問題事例等について自宅のパソコンを使って得ることもできる時代になっている。
このような動きに沿って、化学物質の管理から食品の安全等について、顧客一般消費者とクライアントのリンクが次第に強くなってきている。そのような中で、ポテトチップ1袋を買うとき、10〜20%高くても安全なものを付加価値として売る流通が出始めたということである。

環境先進企業であれば環境対応面でブランディングをさらに強化することも起こってくる。強化したほうが競争力があるということよりも、何もしない企業の商品は売れなくなる方向に進みつつあるからである。
食品産業におけるISO認証取得は遅かったが、ここにきて食品メーカーのISO認証取得は増加してきている。この場合、自社で作っている内容物だけではなく、パッケージを含めた管理が要求されるので、当然、グリーン調達を行うことになる。ソニー、キャノン等の環境先進企業といわれている企業がサプライ・チェーン全体の中でグリーン調達を強力に推し進めてきたが同様の動きが流通を基点として進みつつある。

印刷業も当然、このサプライ・チェーンに属しており、食品の流通になればパッケージ印刷分野で他のサプライ・チェーンの構成要員と同様のグリーン調達水準を求められることは当然であろう。化学物質の管理の徹底、トレサビリティに関する保証、あるいは化学物質に関する情報の開示等にきちっと対応しなければならない。 現時点で、一般印刷業においてはPRTR法に関する問題はあまり取りざたされてないようだが、上記のように、化学物質の管理からトレサビリティといったことから、特にパッケージ印刷分野では食品の安全といった観点からも注意をしていかなければならなくなってきた。

本稿の最初に、流通業界で安全衛生に関して新しい動きが見られ始めたと書いたが、大手スーパーの取り扱い製品は、食品、医薬品といった分野だけでなく文具、衣料等、ほとんど全ての分野にまたがっている。したがって、この動きを基点としたグリーン調達の輪の広がりは、いままでになく広いものになるはずであり、今後ともその動きには十分に注意しておくことが必要であろう。

(「JAGAT info2004年1号」より )

2004/01/24 00:00:00


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