印刷界OUTLOOK2004（3）

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●売上高3年連続で減少

経済産業省「平成14年工業統計表　産業編（概要版）」によれば，2002年の印刷業（従業員4人以上）の売上高（製造品出荷額等）は，6兆4920億円と前年比で1.5％の減少となりました。バブル経済崩壊の影響で低下した売り上げは，1995年以降回復し，1997年には過去最高を記録した後，1998年からは再び減少傾向にあります。その原因として景気の低迷，デフレ経済，受注競争激化による価格の低下や，プリプレス加工度が低下したことによる付加価値の減少などが考えられます。
従業員4人以上の製版業の売上高（製造品出荷額等）は5569億円（前年比5.0％減），製本業は2290億円（同7.3％減），印刷物加工業は1125億円（同10.8％減）となっています。
印刷産業全体では7兆4111億円，前年より4.5％減で5年連続の減少となり，減少幅も大きくなりました。10年前の1992年（8兆5136万円）に比較すると12.9％減少しました。
全製造業（従業員4人以上）の売上高は269兆3618億円で，前年比6.1％減となりました。

●印刷業の1人当たりの売上高は2210万円

2002年の1人当たりの売上高を見ると，従業員4人以上の印刷業が2210万円（前年2237万円），製版業が1497万円（前年1437万円），製本業が1024万円（前年1031万円）となり，製版業を除いてはいずれも前年より減少しました。印刷産業全体では2019万円（前年2029万円）となりました。印刷業は，厳しい価格競争が続いており，また長期化しているデフレ経済の影響もあるのか，1999年以来3年ぶりに減少しました。
全製造業（従業員4人以上）では，3236万円（前年3234万円）となり，わずかですが増加しました。この10年間の伸び率を見ると，全製造業では1992年の2953万円から9.6％増加しています。印刷業は3.2％（92年2414万円）の増加，製版業は22.7％（92年1220万）増加しました。
業種・業態が違うために，印刷業が一概に他製造業より生産性が低いとは言えませんが，厳しいコスト競争力が求められる中，MIS（管理情報システム）などを導入しての営業，製造，管理部門の効率化が必要になっています。

（プリンターズサークル　2004年4月号より）

2004/04/09 00:00:00