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第21期DTPエキスパート認証試験 課題講評

1. 結果概要

 全受験者数は1,594人,筆記試験の合格者数は705人,課題の合格者数は1,135人。
 筆記と課題を合わせた最終的な合格者数は657人で合格率は41.2%でした。
 実技課題の内訳は以下の通りです。

選択課題
提出者課題合格者課題合格率
A・スキャナマニュアル
 160人
 136人
 85.0%
B・旅行パンフレット
1,118人
971人
 86.9%
C・自由課題
  30人
  28人
 93.3%

※課題を提出しなかった受験者286人中21人は筆記試験に合格しています。
 また,7人が提出要項違反(締切後の提出)で失格となりました。

2. 課題の講評

 今回の課題B「旅行パンフレット」は,マドリードからパリに変更しました。提出作品および制作ガイドは全体的にレベルが向上し,とりわけ作品については合格ラインを下回るものは少なくなりました。
 しかし,不合格になった作品のほとんどは,「課題制作の手引き」の基本条件を守っていないものです。とくに制作ガイドは,第三者が自分で制作するために必要な各種要素や制作手法,制作工程,注意事項の記述が必要であり,「受験者がその作品を制作した手順」のことではありません。
 今回の傾向として,制作ガイドにおいてシリーズ化に対するレイアウト設計やテンプレートの指示ができていないものや,レイアウト設計図,各パーツ処理の要素記述が不足しているもの,出来上がった作品をもとに制作した手順を記述しているものが目立ちました。
いずれにしても,「課題制作の手引き」をよく読むことによって問題は解消されると思われます。

(1)紙面設計
 レイアウトは単なるパーツの配置ではありません。コンセプトやシリーズ化なども考慮した上で,設計者がどの部分を強調して各要素を配置するかという紙面設計が大切です。
 また,紙面設計にグリッドを活用することも有効な1つの手段となります。制作ガイドにおいて,数値による各パーツの座標指示だけではなく,紙面構成の方針が理解しやすいレイアウト設計図(ラフレイアウト)は,制作過程が分かる重要なものとなりますので,必ず図示してください。

(2)要素
 制作ガイドにおける要素として,とくに減点の対象になったものは,各パーツについての組版指示や,パーツ配置についての記述が不足しているものでした。
 また,自由裁量の要素が多すぎて再現が困難と判断されるものも目立ちました。今一度,第三者が制作するという立場を考慮した制作ガイドづくりが必要です。

(3)不正コピー・前回データ流用について

 制作ガイドの一部が他の受験者(過去の受験者を含む)の提出物と同じものなど,不正複製したと判断されたものや,過去に配布したデータを使用した制作物の提出は不合格の対象です。
 課題A,Bについては毎回配布するデータを変更しています。過去のデータは使用せず,該当データを正確に使用してください。

※今回は,不正コピーと判断され失格となった作品が数点あります。不正コピーは作品だけでなく「制作ガイド」にも適用されるのでご注意下さい。

 ◆不正コピーについて

 

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2004/05/14 00:00:00


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