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drupa2004をどう見ましたか

CIP3を使用していて限界も感じていたが,今後JDFをどのように視野に入れたらいいかについて大変参考になった。
次のステップのイメージとしては,選択した後加工機に合わせて自動面付けされる,印刷機を選択すると特性(枚葉・オフ輪・水無しなど)に合わせたカラーマネジメントが行われる,生産管理情報が社内Webに公開される,外注先にも依頼伝票が自動的に送信される,経理情報と連結されるなど。
どうやらJDFは煩雑な後加工を行っている印刷会社よりも,オフ輪のような標準化されたシンプルな仕事に最適であり,手を着けられるところから進めていくほうがよさそうだ。しかし,その前に自社で考え抜いた統合的なMISを構築しないとJDFワークフローを場当たり的に組み立てることになって,無駄な費用が発生することは目に見えている。

(匿名希望)


2000年以降は厚紙での抜きや製函のスピードはピークを迎えたということであったが,やはり目の前で厚紙印刷1万8000回転,サック16万回転などを見せられると,当社の目標点はまだまだ先にあると実感した。しかし,機械速度が上がっても,検査を人間に頼っている当社ではこの工程がボトルネックになる。今後,自動検査装置の見当が優先課題になってくる。
(匿名希望)


drupa2004はJDF drupaとも言われていたが各メーカーの仕様自体も発展途上で,システム全体として誰がどう販売し,どうサポートしていくのかということは今後の課題であると感じた。
われわれユーザがJDFの利用目的を明確にしないと構築するシステムや規模が大きくなり過ぎたり,足りなかったりなどの問題が出てきそうだ。JDFによって異機種互換性の仕組み作りは可能になったとしても,顧客との関連や営業体制などビジネスにどのようにつないでいくかは別の問題である。
全体的には,JDF,ICCプロファイル,PDFなどを利用してCIM化に進むのは間違いないだろうが,工程の進捗が手に取るように分かるような風通しの良い工場を実現するには,相応の時間と個別開発が必要だろう。また,全体最適に対する評価方法の確立も今後は必要になるだろう。
(都内・印刷会社勤務)


枚葉オフセットの分野ではツインコーターまでをつないで,付加価値が上がりますよというようなデモがたくさんあったが,特殊な分野に特化し過ぎで,こんなこともできますよというようなものが多かったのではないか。現状の設備でも工夫をすれば何とかなりそうなものも多くて,見ていて面白かったが購買しようというほど心を動かされるような技術は残念ながらなかった。
(匿名希望)


来場者は前回よりも若干人が少なく感じた。業界の現状がこうなのかという気もするが,逆に中国系パワーが盛り上がっている感じもあり,出展者数は日本のメーカーの2倍に達するという話を聞いて納得した。小森のブースなどは入り口の柱に熱烈歓迎の中国語が踊っており,完全にターゲットが中国であった(?)ように見えた。日本も負けてはいられない。
(匿名希望)


drupaには,参加していない。drupaと言えば,世界中の印刷人が集まり印刷界の近未来が見えるとのことで,日本からも多くの印刷人が出掛けて行ったようだ。しかし,技術に関して言うと,その役割(わざわざ出掛けていく価値)は薄れてきたのではないだろうか。特に紙への印刷については技術も成熟しつつあり,ビジネス的にも大きな成長が見込めなくなってきた。国内にいても,海外の新製品情報に困ることはなくなっている。
各社のレポートの中で一番気になったのは,中国などアジア圏からの出展社と見学者が大幅増だったことである。
(匿名希望)


JDFワークフローという目で見て分かりにくい展示会になりつつあるのかもしれないが,JDFはMISと切り離せない。経理の基幹システムを優先するか,業務のワークフローを優先するかで,JDFの導入の仕方が変わってきてしまうと思った。5年後,10年後を見据えた上で真剣にかつ早急な検討の必要性を強く感じた。情報は日本でも取れるという人もいるが,drupaに行ってみると,やはり日常の仕事を少しだけ離れてじっくり考える時間が取れたし,自分たちの目で見ることができたことによって,今後の印刷業界の方向性の共通認識ももてたし,当社の方向性を考える時間も与えられた。drupa視察チームに加えていただいたことを感謝している。
(匿名希望)


オフセット印刷+αで高付加価値を加えるという差別化提案が多かった。厚盛ができるというチャンバーニスコーターや特殊効果インキの利用,また伝統的なエンボスや箔押しまで,加工そのものが高付加価値を生み出すという提案が多く,顧客に提案する立場の営業としては発想の柔軟さが必要であると考えさせられた。日本では見たこともないような特殊紙もたくさんあった。これらの付加価値部分は受注の見込みがなければ導入に踏み切れないが,常にチャンスを意識して営業に当たりたい。
(匿名希望)


今回のdrupaは参加していないが,参加した人からは目新しいものがないという声が多かった。確かに情報をかき集めてもそのようには思えるが,日常のビジネスを支える技術の変化を考える上では,必ずしも新しいものがあるかどうかよりも,今までわれわれの仕事を支えてきた技術がなくなるとか取って代わられつつある面にも注目しなければならないと思う。
例えばドラムスキャナがもうないことからは,スキャナでのセットアップに関する技能はどうなってしまうのだろうかという思いがする。事実,元スキャナを出していたメーカーはこぞってRGBワークフローのツールを出し,画像の色の修正はRGBのままで行うような流れが見える。今まで画像の演出を網点パーセントの変化で考えるような回路を頭の中に作ってしまった人はどうすればいいのだろう。CIEの色空間の3次元座標の中で色をどちら寄りに動かすか,などという発想に切り替えられるのだろうか。それともそんなことも忘れて,ただPhotoshopさえ覚えればいいということなのだろうか。わが社でもデジタルカメラからの画像入稿が半数に近づいているので,早急に対応を考えなければならない問題である。
(大阪・匿名希望)


設備に関して。人手から機械に切り換えたほうが,効率・品質ともに向上する工程はまだ当社内にも残されていることと思う。この辺りの見直し検討も随時行っていく必要があると感じる。
(匿名希望)


ポストプレスでいかに高付加価値を作り出すかということで,表面加工でホットスタンプではなく,フレキソ印刷で金箔やカラーホイルを押す「コールドスタンプ」というものがあった。当社工程では体験できないラインスピードや,自動貼り機でのデリバリ部での箱詰めが機械化されている様子は圧巻であった。
(匿名希望)


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2004/07/14 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会