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グローバル時代の韓国印刷産業(概要)

■ASIA FORUM
第7回マレーシアFAGAT(2004年)
韓国講演レポート

2004年8月31日

Mr. Gabriel K. H. Lee(韓国印刷輸出業者協会・会長/Hanku Asia Co. Ltd・社長)

   グローバライゼーションは、今に始まったことではない。19世紀に貿易という形で始まり、その拡大であったのに対して、いまは資本の移動による国際化を特徴としている。韓国全体は輸出主導で動き、成功してきたが、印刷業界においては印刷機材の大半を輸入することで成り立っており輸出には貢献してこなかった。  政府の国際化政策は、視野を広げ、自立への自覚によって国際競争への準備をすることができた。印刷業の輸出は2000年で2億ドルになったが、2001年は横ばい、2002年には前年比35%減となった。韓国経済は、半導体、携帯電話、造船、自動車分野ではよくなったが、その他は回復しておらず、印刷産業もかつてない困難な時代を迎えている。経済環境だけでなく、供給力過剰による激しい競争の中にあり、今後は国内市場ではなく、海外市場に目を向けていかなければならない。特に規模の大きい企業に顕著に見られる。

●印刷物輸出の問題点

貿易業務が出来る人材がいないことが大きな問題である。貿易実務に長けて外国語を使いこなす能力を持った人材が印刷業にはいない。印刷技術の理論や訓練をする教育はあるが、国際貿易に関する機関がないため、その人材育成は、印刷会社自体がやらないといけないため、会社にとっても、本人にとっても大きな負担である。そのため政府からの継続的な援助を得ることが必要である。 また、海外との取引においては、顧客との信頼関係、とりわけ相手国の文化を十分に理解することが重要である。理解がないためにビジネスが上手くいかなかった例をいくつも知っている。

●現状

現在の印刷物主要輸出国は、アメリカ(全体の64%)、日本(10%強)、中国(5%)だが、貿易相国を広げることが課題である。

[印刷企業のグローバライゼーションに関して重要な要素]


●データで観る

印刷物輸出(単位:1,000US$)
国名2000年2001年2002年2003年
USA64,98068,99257,36256,720
日本17,97416,20013,32612,530
中国8,2737,6482,6375,582

印刷マーケットへのCTP導入数 
19992000200120022003
CTP導入数18253141

印刷マーケットのCTP設置状況
業種印刷会社政府関係プリプレス会社 新聞社その他
CTP導入数858833

印刷物別の輸出明細(単位:1,000US$)
品別2001年2002年2003/11月まで
書籍、パンフレット63,399 71,729 64,793
新聞、雑誌、定期刊行物 3,241 3,665 3,150
子供向け書籍 325 172 860
楽譜 31 3 3
地図、グラフ 813 307 294
計画書 54,775 3,407 1,647
切手、証券、収入印紙 1,177 1,090 287
薄紙原稿用紙 14,410 15,350 15,928
郵便はがき、カード 5,202 5,661 4,274
カレンダー、広告用資料 19,494 17,799 21,488
その他 51,101 19,893 21,786
合計 213,968 139,076 134,510

2002年印刷ビジネスの海外進出
国名マレーシア米国ベトナムスリランカ インドネシア日本
企業数292241
国名中国タイフィリピン香港 メキシコ 
企業数521311  

2004/08/16 00:00:00