本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

あなたにとっての癒しとは?

今回のテーマは私のようなまさに企業戦士を地でいった自称仕事人間にとって,改めて自分に「癒し」とはと問うてもついつい業務の達成感,人材の成長,新規大口の獲得,などが瞬間的な感覚で頭をよぎってしまいます。
自身の邁進した過去に満足していますから裏返せば人生の楽しみ方を知らず,仕事にかこつけて気がつけば何も取り得のない仕事人間を自称しているだけだと思います。
…女房からもそろそろ私を大事にしたほうがいいわよと皮肉か,本気かちょっと気になる「ぐちか牽制か」を耳にするようになりましたが年のせいでしょう。
齢60に近づきつつある時,「癒し」と感じることは,女房との何気ない気を使わない素顔の会話であろうと思います。
子供の成長につけ,やれ結婚だ,やれ家を建てたいから貸してくれ,と次から次への出費についついもう少し働くかと思う時,健康な身体を有り難く思うと共に何か子供の役に立てる「癒し」に似た感覚を夫婦で味わった気がします。
「癒し」と正面切ってはなかなか感じる観点が誰も違うように,「気持ちの安らぎ」こそが原点と思います。
今のストレスの真ん中で生活している現在,「癒し」という言葉を思い起こすことができただけでも大変な心の「癒し」になりました。

(東京飯田橋K.O.)


大変疲れて帰宅すると,かえって眠れないこともあるが,そういう場合は誰でも気分転換をしなければならない。
その気分転換に何をするかは人さまざまだが,不思議なのは他の人が疲れるようなことをしても本人は癒されることだろう。別の言い方ではディープな趣味があれば仕事のことはリセットできる。
実際には癒しが必要なのは深夜が多いので,どうしても興味のある本を読むようなことになってしまう。ところが読書に真剣になりすぎてもまた不眠になるので,自分の能力ではなかなか歯が立ちにくいくらいの思想書とか歴史資料などを,普段から見繕って集めていた。意外に地味なものが気持ちを和らげることが最近分かってきて,遺跡の発掘調査報告書という図版の多いものが,謎の世界に私を引き込んでくれて,時間空間を超越した心地にしてくれる。
(匿名希望)

癒しとは浄化(カタルシス)を得ることだと思う。こり固まった筋肉や感覚や感情や思考を循環させるようにもみほぐされた瞬間に得られるものだと思う。
私の仕事は外出の機会のほとんどない,ルーチンワーク中心の作業である。それが30代になって,仕事がより忙しくなったのに反比例して体力が落ちたと感じ始め,疲れるとついつい会社の行き帰りの電車では寝てしまい,風呂に入るのも面倒で酒を飲んで寝てしまおうという生活に陥りがちで,毎日同じパターンの反復になりがちである。
そんな時,ついつい周りのものごともパターン認識して簡単にやり過ごしてしまおうとしている自分に気付くことがある。筋肉や感覚や感情や思考が麻痺して固定化しているということに気付くのである。
そこでやおら,自分に「謙虚になれ!」と諭すようにしている。すると日常の,社内の,街中の,人々との,いろいろなものごとの微妙な違いや意味を改めて発見し,「ああ,そうだったのか!」という発見に多々巡り会えるようになり,自分のこり固まった部分がほぐれていくのを感じる。
この「ああ,そうだったのか!」という発見が自分の中に飛び込んできたその瞬間が,今の日常の中で私を「癒して」くれるということである。
(埼玉県・匿名希望33歳)


私にとっての癒しは音楽が一番です。それは音楽そのものというのも当然ありますが,音楽というコミュニケーションで人々が共有し合っている「何か」がさらに重要だと気がつき始めました。
若い頃から長年にわたって,一つの分野にこだわり続けていると,それに関連していろんな人間関係ができてきます。つくづく音楽など芸術性のあるものは時代を超えるものだと思わされるわけですが,忘れられたような音楽でも新たなファンが登場するもので,音楽関係の交わりでは親子ほど年の離れた人々が平等に話し合っている姿は,身分の差など考えなかった小学校の頃のように新鮮です。
仕事では,仕事を出す側,受ける側といった立場の違いや,社内の身分の違いなどを意識しないつもりでも,何か本当に心の底から手をつなぎ合っているという感じになりにくいものですが,そのようなほんの少し残っているわだかまりがストレスが生み出される根底にはあるのだろうと思います。
スポーツもそんなことはフッ飛ばすものですが,寄る年なみか,次第に若い人についていけなくなりつつあるので,やはり今後とも音楽を介して交わっていくことが最大の癒しになるだろうと思います。
(匿名希望)

ご意見大募集へ

2004/10/07 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会