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印刷対応型のステガノグラフィ(2次元コード)とは

QRコードとは2次元コードの一種で「リーダにとって読み取り易いコード」を主眼に(株)デンソーウェーブが開発、1994年に発表したものである。バーコードは一方向に情報を持っているだけだが、QRコードは縦横二方向に情報を持ち、記録できる情報量が飛躍的に増加しているのである。

このQRコードの活用は今正に旬を迎えようとしているが、これをさらに押し進めるべく、(株)富士通研究所が印刷画像に見えないデータを埋め込む技術を開発したとリリースした(2004年6月)。
同社のリリースの冒頭にはこう記されている。
「株式会社富士通研究所は、世界で初めて、印刷されたカラー画像の中にユーザーの目に見えない形で、12桁の数字データを埋め込む技術を開発しました。今回開発した技術により、誌面デザインを損なうことなく、雑誌や広告のカラー印刷画像に電話番号やURL変換コードなどを埋め込み、携帯電話やPDAを利用して簡単に電話をかけることや、インターネットにアクセスすることができます。」

この技術はステガノグラフィと呼ばれる技術の一種で、これは従来からあった技術だが印刷には対応していなかった。また電子透かし技術とは考え方が異なっており、この電子透かしも高画質なままでは印刷には不向きだった。
この新技術の特長は大きく2つあり、印刷画像にデータを埋め込む符号化技術と、カメラやスキャナで取得した画像データから埋め込んだデータを高速かつ確実に読み取る復号化技術だという。

これにより、雑誌掲載の情報を簡単に取得、CDジャケットからアーティストの着メロを簡単に取得、名刺写真から相手に簡単に通話等が可能になり、さらに販促をはじめ多岐に渡る活用も想定しているようだ。

いずれにしても、この印刷対応型のステガノグラフィ技術、さらに旬を迎えたと思えるQRコードという2次元コードの流れが、紙媒体の活用に新しい局面を開く可能性をもっていることは間違いないだろう。


11月18日(木)開催のJAGAT通信&メディア研究会techセミナー(13:00-17:20)では、「QRコード〜最新技術まで、2次元コード活用の見取り図」と題し、今回取り上げた印刷対応型ステガノグラフィの技術〜ビジネス解説と併せてデモも行なう予定である。また、QRコードのビジネス活用のさまざまな事例(名刺印刷、写真、地図出版)を検証する。

2004/11/09 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会