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拡大するフリーペーパーの種類

現在、フリーペーパーが注目されている。JAFNA日本生活情報紙協会によれば、フリーペーパーの紙・誌数は1156、総発行部数は2億2570万部に達するという。フリーペーパーといってもさまざまなタイプがあるが、同協会はフリーペーパーを以下の5つに分類している。
@ コミュニティペーパー
A ターゲット・メディア
B ニュースペーパー
C タウンペーパー/タウンマガジン
D 広告マガジン/クーポンマガジン/ショッパー

「コミュニティーペーパー」は、新聞系の4種(一般紙販売店系、一般誌販売局系、一般紙広告局系、一般紙編集局系)と、個人・プロダクション・独立系、テレビ資本系、地元資本独立系、大企業資本系の4種、計8つに分けることができる。これらの中で最も多いのが一般紙の販売店系のもので、次いで販売局自らが読者サービスで出している一般誌販売局系が多い。一般紙広告局系のフリーペーパーは新しい増収源を求めて出されているものであり、「リビング」がその代表例である。一般紙編集局系が出している婦人面・文化面の記事を再利用する融合型生活情報紙は読者サービス紙としての性格を持っている。

フリーペーパーは、本来対象を絞り込んで発行しているものだが、対象をさらに絞り込んで発行しているものが「ターゲット・メディア」である。
OLのみをターゲットにして契約部数を企業に配布をしている「シティリビング」がその代表例で、常時40ページ、オールカラーでの構成で発行部数が漸増している。幼稚園児とその母親を対象に幼稚園で園児を通じて配布している「あんふぁん」は、2〜3年前から出た新しい媒体でこれも伸びている。いずれも従来にない配布ルートを開発した例である。
出版社・新聞社・営団地下鉄が連動しているメトロマガジンは、一昨年11月から出はじめた。20〜30代のOLやサラリーマンを対象に発行され、洗練された内容で読者に受け入れられている。その他、高額所得者、高齢者、女子学生等を対象とするターゲット・メディアがある。

「ニュースぺーパー」タイプは、ニュースも掲載しているフリーペーパーである。全国で20誌ある。タウンペーパー/タウンマガジンには商店会系と独立系がある。商店会系のフリーペーパーは、商店会の加盟店の店頭に設置するものがほとんどだが、銀行、駅等で配布されるものもある。独立系では、エリアマップとクーポンを売り物にしている「Walking」がよく知られている。

フリーペーパーの中で現在最も注目を浴びているのが広告マガジン/クーポンマガジン/ショッパーである。記事掲載はなく広告だけである。「ホットペッパー」はこの分類に属すフリーペーパーである。発行部数が非常に多い「ぱど」は、地域版集合体として全国展開しているフリーペーパーである。地域版ひとつひとつは小さいがフランチャイズ方式で全国展開している。
最近、雑誌が売れなくなってきた。当然のことながら部数が減れば広告効果が薄れるので、これをカバーするために、雑誌に掲載した広告をフリーペーパーに載せて無料で配る「有代誌補完型のフリーぺーパー」がある。今後どんどん増えると思われる。この動きは、有代誌が無代誌化する前兆と見ることもできる。

上記以外では、宣伝PR誌を兼ねたフリーペーパー、フリーマガジンや新聞販売店が購読料を集金する時に渡す媒体、あるいは「AIDEM」、「アポルテ」、「クリエイト」など新聞に折り込まれる題字付求人チラシ媒体がある。性格としてフリーペーパーに入れるべきかは微妙だが部数は非常に多い。これらを入れるとフリーペーパーの市場規模は非常に大きな世界になる。

JAGAT 印刷マーケティング研究会会報「FACT 2004年7月号」)

2004/12/18 00:00:00


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