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Webビジネスを象徴する3つの巨大企業――グーグル、アマゾン、楽天

グーグル、アマゾン、楽天。この3社は検索、書籍、ECとそれぞれの特徴を元にWebを通したビジネスでまたたく間に巨大企業となった会社である。インターネットが一般化してまだ10年と経っておらず、この3社も設立10年未満。今やその名前を知らないものはいないと言ってもよいほどに急成長したのである。


2004年12月14日米グーグル社は、英米の大学や公立図書館の蔵書をスキャンし、本文のオンライン検索を可能にする計画を発表した。「ハーバード大学、スタンフォード大学、ミシガン大学、オックスフォード大学の各図書館と、ニューヨーク市立図書館が協力……グーグル社は10月に書籍の本文を検索する『グーグル・プリント』プログラムを開始しており、これを発展させた……」というものだった。
元々グーグルはスタンフォード大学博士課程の学生ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの研究プロジェクトとして開始され、1998年に設立、現在社員は1000人を超える。
この聞き慣れない社名は、10の100乗を意味する「googol (ゴーゴル)」を元にした造語で、Web および世界中で使用可能な膨大な量の情報を組織化するという Google社の使命を反映している。現在30億以上のWebページをインデックスし、毎日2億以上の検索クエリを受信しているという。グーグルの検索は、独自のWebページの重要度を客観的に測定するPageRank技術によるものである。
グーグルのビジネスは、Webサーチ、サイトサーチの検索サービス提供と、この検索と連動するGoogleサイトでのテキストベースの広告プログラム提供の二つである。
Webサイト運営者に対し、ページ内容に関連する特定の広告掲載を行なえ、サイトの利益効果を最大化するAdSenseプログラムの提供も行なっている。


アマゾン・ドット・コムは1995年にWeb上でのサービスを開始した、米国シアトルを本拠とする世界企業である。
世界で最も顧客重視の企業であることを目指すことを理念とするアマゾンはオンラインストアとして、書籍をはじめDVD、エレクトロニクス製品等々、現在では、顧客がオンラインで買いたいと思うあらゆるものを検索、発見でき、しかも可能な限り低価格でそれを提供することを追求している。そのため、新製品のみならずユーズド製品も扱いはじめている。
現在、世界で6つのWebサイトを運営しており、その一つが2000年に営業を開始したAmazon.co.jp(アマゾン ジャパン)である。
このアマゾンが現在力を入れているサービスメニューに、Webサービス、アソシエイト・プログラムがある。
Amazon Webサービスは、Amazon.co.jpのカタログデータ、サーチ機能など自サイトで活用できるようにするものである。ソフトウェア・デベロッパー向けにAmazon Webサイトのフィーチャーやコンテンツを、HTTP経由でSOAP またはXMLを使用して、直接他のWebサイトと統合できるソフトウェアを無料提供している。これにより商品情報を、直接サーバーから日次で取り込み、自サイト用にカスタマイズしたフォーマットで表示できるようになる。
Amazonアソシエイト・プログラムは、Webサイトオーナーが自サイトにリンクを貼り、そのリンク経由での商品販売額に応じて紹介料が得られるプログラムである。通常アフィリエイトプログラムと呼ばれるもので、Web上での協業を実現するものである。


日本最大級の通信販売ショッピング/通販オンラインショップ「楽天市場」で知られる楽天は、1997年に設立された。
当時、Web上のカタログ形式がほとんどであったオンラインショッピングサイトに対して、「システムに強い人間が商売をする」のではなく「商売が上手な人が簡単に店を開ける仕組みを創る」ことを目指し「楽天市場」を開設したのだと言う。そこで出店者にはシステム、トラフィック、ノウハウの3つを提供し、消費者にはネット上での買い物の楽しさを提供してきた。
現在「楽天市場」の契約ショップ数は約5000件にのぼり、従業員は700名を超える。
「サービス・プロバイダー」「マーケット・プレイス」「メディア」の3本柱を基点に、Jリーグ、プロ野球への参入のみならずポータルメディア事業、EC事業、トラベル事業、金融事業と、有能な人材が経営者のようにそれぞれの事業を指揮していく分散型経営により、多様な展開を図っている。
楽天市場を皮切りに、印刷の取引も多いアウトソーシングマーケットプレイス「楽天ビジネス」、宿泊施設予約事業「楽天トラベル」、書籍販売「楽天ブックス」、日記コミュニティサイト「楽天広場」、中古販売マーケットプレイス「中古市場」(現在「楽天フリマ」に統合)、デリバリー業者紹介事業「楽天デリバリー」、動画配信ショッピングサービス「楽天ブロードバンド」等続々と多様化を進行中で、その究極の目標は世界一のインターネットサービス企業だと言う。

この10年の間に我々の生活の中でインターネット(Web)は不可欠のものとなり、だれもがその利便性、可能性を実感してきている。
だがビジネスの面では、成功と失敗を分かつものが確実に見出せてるとは言えない。
これら短期間の間に急成長を遂げた3社は、Webにどのような可能性を見出したのか? ネットの持つ「ポテンシャル」とは何なのか? それをどのように活用したのか?
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PAGE2005開幕日の2月2日は、この楽天、グーグル、アマゾンと、これまで並んだことのないWebビジネスの巨大企業3社が、はじめて一堂に会し、「Webの持つはかりしれない可能性」について議論(基調講演)を行ないます。
サービス、技術、あるいはポジショニング、発想、等さまざまな観点からWebビジネスの成功者たちが発見したネットの持つ計り知れない可能性を、この場で切り出していきたいと考えます。

また、この基調講演を受けて、「技術」「ビジネス」双方の観点からのセッションを2本ずつ、同日に行ないます。

→参加申込ページへ

PAGE2005 2/2(水)開幕日
■10:00-12:00
【A0】基調講演
Web:飛躍の原動力――ネットの計り知れないポテンシャルを土壌として
・Google リチャード チェン氏(インターナショナル ビジネス プロダクト マネージャー)
・アマゾンジャパン 吉松 史彰氏(Amazon Web サービス テクニカルエバンジェリスト)
・楽天 杉原 章郎氏(取締役 EC事業カンパニー執行役員)
・モデレータ=小笠原 治(JAGAT 常務理事)

【A1】基調講演・技術■13:00-15:00
制作の自動化にメタデータを使う
・モデレータ=小笠原 治(JAGAT 常務理事)
・Gunar Penikis氏(Adobe Systems)
・Ron Roszkiewicz氏(Pound Hill Software)
DTPとコンテンツマネジメントとDAMが独立して、受/発注者間の広範な連携がスムースにとれる方法を考える。

【A2】基調講演・技術■16:00-18:00
編集・制作はどこまで効率化できるか
・モデレータ=小笠原 治(JAGAT 常務理事)
・Jess Walker氏(Adobe Systems)
・小原 裕美氏(富士ゼロックス)
編集・制作作業の情報伝達とモニタリングや、プリントオーダーとトラッキングについて検討する。

【B1】基調講演・ビジネス■13:00-15:00
クロスメディアパブリッシングの一つの到達点――紙からWebへの系統進化
・モデレータ=佐々木 雅志氏(brain.design)
・永山 辰巳氏(インスピレーション 代表取締役)
・片岡 紀昭氏(麻生情報システム ビジネスソリューション事業部部長)
紙媒体の編集制作で熟成されたノウハウ/機能が、Web制作に発展的に受け継がれている事例等を検証する。

【B2】基調講演・ビジネス■16:00-18:00
デジタルコンテンツの蓄積が生み出すビジネスチャンス
・モデレータ=藤井 雅俊氏(メディアラグ 代表取締役)
・河井 信哉氏(アミューズ AICA事業部 エグゼクティブプロデューサー)
・古株 均氏(Jストリーム 取締役副社長)
新規のビジネス創出を行なうプロデューサーが、コンテンツビジネスの中期的ビジョンと課題を考える。

2004/12/28 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会