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MIS/JDFトラック 2月4日開催セッションご案内;PAGE2005コンファレンス

―新たな利益の源泉を取り込むためにー

PAGEコンファレンスのMIS/JDFの各セッションは、印刷会社の経営者、経営幹部の方々、およびシステム担当責任者の方々に、従来にない技術の活用によって生まれる新たな利益の源泉をどのように取り込んでいくかを考えていただく機会として企画した。
大幅なコストダウンとともに売上アップにも貢献し得るJDFワークフローや全体最適化だが、印刷業界における認識には誤解が多い。考慮すべき範囲を限定的に捉えているし、競争力強化と顧客満足向上による売上アップの視点が欠けている。全体最適化とは、個々のデジタル化されたシステム要素間をデジタルネットワークで結び、情報を縦横に流通させて様々なボトルネックを解消することである。このときに考慮すべき範囲は顧客や協力会社を含むものであること、そしてデジタルネットワーク上にさまざまなITや新たなMISの機能を組み込むことによって従来にない大きなメリットが生まれることを理解せずに正しい評価はできない。

 一方、上記のようなことを十分に理解している業界人は、ビジョンと現実の距離の遠さに戸惑を感じているのではないだろうか?
 PAGE2005コンファレンスのMIS/JDFトラックで2月4日に開催する3セッションは、各社の経営課題の視点からJDFワークフロー、CIM、全体最適化を捉え、従来にない競争力強化、利益増加をもたらす目標に向かって着実に近づいていくための課題とその解消方策、道筋を考えていただく内容で構成している。

E-4:「我が社の経営課題とCIMの位置付け」

本セッションでは、中堅印刷業の経営課題への対応の視点からCIMや全体最適化を捉え、その意義と実現のための課題について議論する。
「CIM」は、デジタル印刷ビジネスにおいて、付加価値を具現化し利益向上に貢献するジャスト・イン・タイム生産のワークフローと位置付けることができる。そして、この分野のCIMは、さまざまな印刷方式のなかでその実現が最も至近距離にあると言えるだろう。
これからのMISには、新しい情報技術を取り入れてCIM、全体最適化に資する機能を持たせれば大幅なコストダウンと顧客満足向上を可能にする。ただし、従来とは異なる課題も出てくるので、それをどのように解消するかを考えておく必要がある。
本セッションでは、CIMあるいは全体最適化とは何かを明確にした上で、CIMのような従来にないシステム化が経営課題にどのように応えてくれるか、またその実現に向けての課題について議論する。

E-5: 全体最適化を実現するMISの要件

5,6年前に、コンピュータの2000年問題への対応のためにシステムを入れ替えた中規模以上の印刷会社は、いま、そのシステムの再構築の時期にきている。そのような現時点において、印刷企業の主要な経営課題への対応にCIMや全体最適化が求められる一方、JDFを含めて、それらを可能にするに情報技術、仕組みがいろいろ出てきている。
したがって、これから再構築するMISは、従来の伝票発行機、集計マシーンを越えた機能を持つものとして考えるのが当然である。その機能とは、例えば生産計画を最適化するシミュレーション、Webを使ったリアルタイムでの情報共有、戦略的経営判断の支援あるいはEDI/EC対応等である。このような機能を持ったMISを中核とするならば、JDFワークフローのもたらす成果は、現在一般に喧伝されているものをはるかに上回るものになる。
MISの再構築を検討中の企業の方々には是非とも聴いていただきたいセッションである。

E-6:「全体最適化のロードマップ」

今回のMIS/JDFトラックでの議論を総括するセッションで、他の5セッションのモデレータが会し、全体最適とは何か、その具現策はどのようなものか、IT活用を踏まえ個々の印刷企業がどのようにロードマップを描いてゆくかを議論する。
これから実現を目指そうとする全体最適化については、理想・期待と現実との間に大きなギャップ(課題)が存在している。さらに、全体最適化自体はもとより、その実現手段、どこから始めるかなど、具体的に考えるほど不明瞭さが浮き上がってくる。
本セッションでは、他の5つのセッションの結果も踏まえ、システムへの過信、偏重を排除しながら、これらを上手に活用し、実施できるところから実施しながら、発展、成長させ全体最適を実現する、その第一歩としての具体策を提示したい。

2005/01/21 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会