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印刷会社が顧客企業に提案する印刷物製作・発注の合理化

 印刷会社が定期的な印刷物などを製作するため,従来のように営業担当者が顧客企業に足を運んで制作進行するスタイルでは時間もコストもムダである。それらの解決のため,Web上で印刷物のレイアウト・組版,校正や印刷発注までを行うDTPソリューション(Web toプリント)が進んでいる。
 これらのソリューションでは,従来DTPソフトで実現されていたWYSIWYG編集を,Webブラウザで実現している。したがって,ユーザ自らが印刷物の最終確認を行うことができるため,校正のステップを不要としたコスト削減が可能になる。

 また,編集機能もテキストボックスの中身を単純に変えるだけではなく,利用頻度や取扱難易度によって、メニューを階層化している。例えば,1階層目は入力のみ,2階層目は移動・拡縮,3階層目は詳細設定,4階層目は色設定などユーザの必要性やスキルに応じた使用方法が実現する。
 ユーザは,Webブラウザ(IE5.0以上)だけで利用が可能であり,それ以外の特別なプラグイン等は不要である。もちろんユーザPCのフォント環境にも依存しない。また,サーバ側で自動生成される印刷用データには,TrueTypeフォントがエンベッドされるため,PostScript対応の印刷機であれば出力機のフォント環境にも依存しない。

 これらの印刷物製作が1つの窓口ですべて対応できる,ワンストップ・プリンティングが可能とするものは,プログラム構造だけではなく分散生産の管理もある。印刷アイテムやユーザの要望に沿って,発注された印刷物をどこで刷るかをシステムがフロー制御し,生産拠点毎に必要な印刷用データを供給する。また,ユーザがローカルプリントするためのPDFファイルをデータ提供することも可能である。

 法人顧客向けワークフローも考えられており,担当者が印刷物を発注する場合の上長の許可など,簡便な発注/校正/承認システムをB2B向けに備えている。
 また,従来のWYSIWYGだけではなく,従業員名簿を元にした名刺のデータベース連動バッチ組版機能もサポートしている。法人顧客毎の要望に沿って,テンプレート・販売価格・納期・印刷工場等を自由に設定・変更が可能である。
 印刷会社は,このような顧客サイドの発注効率化への要求を理解し,従来の受注生産だけではなく,むしろ積極的に協力体制を構築することがビジネスチャンスとしても重要である。

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2005/01/27 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会