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XML複合文書とは…標準化活動とプラットフォーム技術

 XML文書を記述するためには,要素や属性を使用する。要素や属性は,利用目的に応じて意味のあるまとまりとして規定され,このまとまりをボキャブラリと呼んでいる。
 現在,さまざまな分野で標準化へのベースを築くため,データに意味を付けるためのボキャブラリの整理が行われている。例えば,HTMLをXMLで定義し直したXHTMLや,数式を記述するためのMathML,ベクターグラフィックスを描くためのSVGなどがある。それぞれの性質からXHTML文書の中にMathMLやSVGで記述されたデータが組み込まれることが多い。
 XML複合文書とは,このように複数のXMLボキャブラリが混在した文書である。Web標準を策定している国際的な団体W3Cは,XML複合文書をCompound Document Formatと呼んでおり,標準化への取り組みをスタートさせている。

 一方,ジャストシステムは,2004年11月に開催されたXMLコンファレンスにおいて,「xfy technology(エクスファイ テクノロジ)」を発表した。xfy technologyは,多様なXML文書を1つの文書データとしてシームレスに作成,編集を可能にする技術であり,高度なプラグインの集合により構成される。プラグインシステムやアプリケーション開発機能を実現し,広範囲に応用が可能なソフトウェア基盤技術を目指している。
 これらを利用することによって,新しいボキャブラリの開発時に既存ボキャブラリ表示編集環境が利用でき,さまざまなXMLを混在させる用途においても,複雑で大規模なモジュールを開発する必要がなく,アプリケーション構築のプロセスを大幅に改善することが可能になる。

 XMLは,データ送受信やWebブラウザで利用される基盤のフォーマットであり,XMLベースのマークアップ言語を単独で使うより,組み合わせて使うことができる技術や製品が期待されている。
 XML複合文書への取り組みはまだ始まったばかりである。W3Cによる標準化活動の動きやジャストシステム専務 浮川氏自らが語るプラットフォーム技術の開発,製品化への展望に注目していきたい。

関連するコンファレンス 「XML文書技術の新展開」

2005/01/28 00:00:00


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