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「Xerox iGen3 」24台設置の印刷センターが始動

三井住友カード株式会社の利用代金明細書を全面フルカラー印刷する印刷センターが始動した。同センターには「Xerox iGen3 」24台が新設され、24時間フル稼働で400万人分の利用代金明細書を印刷するが、「iGen3」のバリアブルデータ印刷機能を生かして、カード会員1人1人の地域、年齢、カード利用内容に即した加盟店のPRやポイントサービス紹介の印刷も行なう。

三井住友カードは、現在、1300万人を越える会員を持っており毎月カード代金利用明細書を400万通発行しているが、代金利用明細書は必ず目が通される顧客との重要なコンタクトチャネルであると捉えている。そして、これをOne to Oneマーケティング用ツールとして有効利用して顧客毎に適した情報を提供、加盟店への来店も促進してVISAカードの利用を促していくために、明細書の全面カラー、バリアブル印刷に踏み切った。

この印刷を請け負うのが株式会社日本総合研究所の100%子会社である株式会社ジェイス(資本金4億5000万円、従業員数1400名)である。同社は、株式会社日本総合研究所のアウトソーシングセンターとして、システ運用受託を主要業務としつつ、システムインテグレーション、データ入力、そしてプリンティングサービスとして、メインフレームコンピュータ出力のオンラインプリント処理や、個別の顧客ニーズをきめ細かく反映させたオフラインプリント処理などを行ってきた。
しかし、今回、三井住友カード会員向け代金利用明細書印刷を、ワンツーワンマーケティングに利用できるフルカラー印刷とし、しかも400万枚という大量出力を80時間連続稼働で行うという条件を満たすために、バリアブル印刷機能を持ち、高画質な印刷を可能にする「Xerox iGen3」24台を導入、新たなプリンティングセンターを設立した。同センターは、大阪府福島区にある大和大阪センタービルの6階と7階の2フロア−に「Xerox iGen3」 24台をはじめとするデジタル印刷機を設置し、24時間のフル稼働を行なう。

新プリンティングセンターにおけるバリアブル印刷では、基幹システムとプリンティングシステムとが一貫して連携を図ることによって、バリアブル印刷のためのセグメントが非常に細かくできるようになった。従来のセグメント数は最大50パターン程度であったが、今回のシステムでは技術的には無限のセグメンテーションが可能で、実質的にも1000〜1500のパターンを使用することが可能であるという。したがって、「ブティックでの利用が多い都内在住の20代後半のOLに都内で行われるブランドのセールス情報」を送ったり「週末にゴルフ場利用が多い関西在住の50代の男性に、関西金券のゴルフ場の優待情報」を案内するといったワンツーワンマーマーケティングが可能になる。2次元バーコードを印刷し、詳細は携帯でバーコードを読み取ってインターネットで紹介するといったこともできる。

株式会社ジェイスは、iGen3の導入を機に、日本総合研究所のコンサルティング機能と、iGen3が持つバリアブル印刷機能、高品質な印刷を多様な用紙に安定してできる機能を生かして、DPS(デジタル・プリンティング・サービス)市場に本格的に参入するとともに、ゼロックスや同業他社、印刷会社とのコラボレーションによって、パンフレットやポスターなど一般商業印刷分野にも同社のプリンティング機能を使っていきたいとしている。

富士ゼロックスは、ジェイス新プリンティングセンターに対して24時間のオンラインモニタリング、設備保守サポート、資材供給のために専用サポート体制を敷くと共に、システムエンジニアをつけて新たなアプリケーション開発のサポートも行なう。さらに、富士ゼロックスが展開するグローバルなプレミア・パートナーシップ・プログラム、Free Flowパートナー・プログラム、コラボレーションポータルと位置付けているエピセンターの機能を生かして、マーケティング的な視点からの支援もしていく。

2005/03/01 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会