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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要市場動向

12月の書籍・雑誌販売金額前年比は1.6 %増で4ヶ月連続で前年を上回った。書籍が4.9 %増と相変わらず順調に伸び、雑誌も▲0.3%と小幅なマイナスに止まったからである。2004年通年では、販売金額ベースでは0.7%増と8年ぶりに前年を上回った。書籍は4.1%増、雑誌は▲1.7%であった。書籍は「ハリーポッター・シリーズ第5巻」などのメガヒットが相次いだからだが、「文芸書、児童書以外のジャンルは振るわず書籍全般の販売状況が好転したとは言いがたい」(出版月報)という。

12月の広告業の売上前年比は4.5%増であった。8月の8.2%増以降11月の0.1%増まで伸び率が鈍化してきていたが12月は順調に伸びた。テレビと新聞が大きく伸びたことが効いている。2004年通年で見ると3.7%増となり、2003年の1.3%増を上回る伸びとなった。テレビの3.2%増を基盤に、SP/PR/催事企画(14.9% 増)、折込・ダイレクトメール(10.3%増)が好調であったからだが、マス4媒体では、テレビを除いて新聞(▲0.8%)、雑誌(▲1.1%)、ラジオ(▲4.1%)が不調であった。

仕事の状況

12月の一般インキ出荷販売量前年比は▲2.5%であった。量が多い平版インキ(1.4%増)、グラビアインキ(1.3%増)が小幅なプラスに止まる一方、金属インキが▲31.5%と大幅な前年割となり、他のインキもマイナス成長になったからである。
2004年通年での一般インキ出荷販売量前年比は1.6%増であった。主力の平版インキは5.7%増、グラビアインキが3.6%増と好調だったが、金属インキは▲21.7%、樹脂凸版インキは▲2.5%で、品種による明暗がくっきり現れた1年であった。

12月の印刷情報用紙の出荷販売量前年比は1.6%増であった。非塗工印刷用紙(1.3% 増)、微塗工印刷用紙(1.0%増)、塗工印刷用紙(3.2%増)いずれも前年を上回った。2004年通年では、上記主要3品種ともに前年を上回り、印刷情報用紙全体としては2.4%増と順調な伸びであった。この中ではコート紙(6.0%)、軽量コート紙(4.3%)の伸びが目立った。アート紙は▲14.3%の大幅減である。フォーム用紙(▲3.6%)、PPC用紙(▲0.5%)を含む情報用紙は▲2.7%であった。

(「JAGAT info2005年4月号より」)

■関連情報:印刷業界データ

2005/04/25 00:00:00


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