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印刷白書に見る印刷産業の現状と課題

強い斑模様を示す印刷業界の明暗

マイナス成長が続く印刷業界全体は縮小均衡で推移し、収益性がじりじり低下して営業利益率平均が3%を割り込むところまで落込んだ。売上げ回復の目処が立たない中で、利益確保の弾力性を失いつつあることが大きな問題である。業界のわずか2.5%の企業が、売上げの70%強、所得の96%を占めると言う寡占化がさらに進行している。
印刷物市場は、雑誌、通販の広告宣伝媒体のようにインターネット、携帯電話等の普及でマイナスの影響を受けている分野もあるが、一方でチラシ、DMは順調に伸び、フリーペーパーも急速に増加するなど、紙か電子といった単純な図式で割りきれない動きが見られる。
「印刷白書2004→2005」は豊富なマーケットデータをもとに、強い斑模様を見せる印刷業界の明暗を示すとともに、2010 年までの出荷額予測も紹介している。

メディアビジネスはコンテンツへ

インターネット、携帯電話は当初予測を2年前倒しで普及し、携帯電話は、既に接触時間、消費支出項目のいずれにおいても最大のメディアになった。そして、日本の「電子政府」構想は、インフラ整備重点のe-Japanからコンテンツと利用ル−ルに焦点を当てたu-Japanを目指す。インターネット関連の技術はより高度な表現、操作性を具備し、市場拡大を牽引するプロダクト市場が大きく伸びているので、デジタルコンテンツ市場、が拡大していくことは確実である。そして、コンテンツビジネスではクロスメディア展開がビジネスのキーになる。
印刷白書[2004→2005]では、デジタルメディアのインフラの現状を紹介するとともに、コンテンツビジネスのポイントを解説している。

印刷産業の課題とキーワード

閉塞している現在の印刷業界をブレイクスルーさせる圧倒的なビジネスモデルの出現や新しいビジネスの大きな成功事例の姿はまだはっきり見えてこない。ヒントや技術は数多く見え、それらをうまく組み合わせさえすれば解答が導けるという、寸前のところまで来ていると思えながらも、一方で果たして解答があるのだろうか、という思いを持ちながら立ち向かっているのが今の状況ではないだろうか。しかし、いま、印刷業界が望んだ情報産業の一員としての役割を果たす土俵は確実に、しかも急速に拡大している。
印刷白書[2004→2005]は、そのような状況を目の前にしている印刷企業が何をなすべきかを提言している。

印刷産業動向把握の決定版であり、印刷産業、同関連企業が経営戦略を考える時の必携の書としてご好評をいただいている印刷白書最新版の詳細はこちらをご覧下さい。

2005/05/21 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会