本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

クロスメディアエキスパート 試験範囲(カリキュラム)

※新しいページはこちら

- 目次 -
1 メディア概論
1-1 メディアとコミュニケーション
1-2 ネットワーク社会
2 経営概論
2-1 経営管理
2-2 企業会計
2-3 経営工学
3 IT概論
3-1  ITの進展
3-2 情報技術
3-3 電子商取引
3-4 eビジネス
3-5 電子政府と電子自治体
3-6 セキュリティ
4 クロスメディア
4-1 クロスメディア概論
4-2 プリント
4-3 パッケージメディア
4-4 オンラインメディア
4-5 コンテンツ管理
4-6 メタデータの管理
5 ネットワークとデータベース
5-1 通信インフラ
5-2 HTMLの規格
5-3 XMLの規格
5-4 Webサーバとクライアント構造
5-5 データベースの基礎
6 デジタルコンテンツ
6-1 デジタルメディアとコンテンツ
6-2 デジタルメディアデザインとその評価
6-3 プロジェクト管理


クロスメディアエキスパート認証制度のカリキュラム 

1 メディア概論
メディアに関する技術とビジネス,利用習慣について多面的に理解し,目的にあったシステムを描けること。

1-1 メディアとコミュニケーション
(1)マスメディアに関すること
テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・出版などの特徴,業界規模,ビジネスモデル,広告代理店 など
(2)メディアリテラシーに関すること
メディアの特質の理解,メディアとコンテンツの変化,メディアリテラシー論(マクルーハン) など
(3)パーソナルメディアに関すること
ニューズグループ,メールマガジン,ブログ,Wiki,SNS,Web2.0 など

1-2 ネットワーク社会
(1)ユビキタス社会に関すること
エージェント,自動認識(2次元バーコード,ICタグ),デジタル家電,ウエアラブルコンピュータ,デジタルキャッシュ など
(2)デジタルデバイドに関すること
格差による課題とビジネスチャンス など
(3)ビジネス機会に関すること
紙媒体を超えたビジネスの広がり など
(4)ユニバーサルデザインに関すること
アクセシビリティ,ユーザビリティ など
(5)クロスメディア的な方法論に関すること
メディアの複合利用,用途開発 など

2 経営概論
個別の企業特性を把握するために,経営に関する用語や指標,手法を理解できること。

2-1 経営管理 
(1)  経営に関すること
経営戦略,組織,マーケティング(マーケティングプロセス,マーケティングマネジメント,リサーチ,分析,市場のセグメント化ブランディングほか),ヒューマンリソースマネージメント,システム化計画 など

2-2 企業会計
(1) 財務会計に関すること
財務諸表,会計基準,連結決算,管理会計,各コンテンツ(放送,音楽,出版,映画,ゲーム,コンテンツ配信)のビジネスモデル,会計処理,資金調達 など

2-3 経営工学
(1) 分析手法に関すること
(2) 品質管理に関すること

3 IT概論

産業や官公庁,教育分野などでITの導入・研究が進められてきている。ITそのものについての主要技術と基幹業務システムについて理解する。

3-1 ITの進展
(1) マイクロエレクトロニクス革命に関すること
Integrated Circuit(集積回路),ムーアの法則,産業への影響 など
(2)コンピュータの変遷に関すること
ダウンサイジング,組み込みコンピュータ,デジタルアプライアンス
(3)ボーダレス化に関すること
ユビキタス化,デバイスとデータとプログラムの分離・標準化

3-2 情報技術
(1)ITによる経営手法の変化に関すること
IT活用と経営手法,ITと消費行動,ITと安全性,信頼性 など
(2)標準化の進展やオープンソースに関すること
標準化団体(ISO/IETFなど),Web標準化動向,RFC など
(3)変化するメディアの位置づけに関すること
e文書法 など
(4)基幹業務システム(ERP)に関すること
ERP導入の特徴,ERP導入実現のためのポイント,ERP適用業務分析 など

3-3 電子商取引
(1)電子商取引(Electronic Commerce)に関すること
標準化,BtoC,BtoB,クリック&モルタル,決済システム,決済代行,今後の展開 など
(2)SCM(Supply Chain Management)に関すること
サプライチェーン,マーケットプレイス,バリューチェーン など
(3)電子調達に関すること
電子調達の実現,電子調達の基盤,e-Japanにおける電子調達,今後の電子調達 など

3-4 eビジネス
(1)eビジネスの法的事項に関すること
知的財産権(著作権,特許権,実用新案権,意匠権,商標権ほか),取引関係(電子消費者契約法,特定商取引に関する法律,割賦販売法,業法ほか) など
(2)既存メディアのeビジネス化に関すること
eビジネスの法的事項,関係法令,周辺領域に関する新しい立法,ビジネスモデル特許 など
(3)クロスメディアマーケティングに関すること
低コストですむ顧客維持,パーソナライゼーション,顧客満足度と個人情報管理,コミュニティ形成 など
(4)広告ビジネスモデルに関すること
インターネット広告(ウエブサイト,バナー広告,電子メール広告,リッチメディア広告,キーワード広告,モバイル広告,検索型広告ほか),ブログ,アフィリエイト・プログラム,広告収入型ビジネス(検索サイト,メールマガジン,コミュニティサイトほか)
(5)ネットワークを介したサービスに関すること
ASP,Webサービスなど

3-5 電子政府と電子自治体
(1)電子政府・電子自治体の取り組みに関すること
海外と国内の取り組み,中央省庁と地方自治体,ワンストップサービス,ノンストップサービス,情報公開サービス など
(2)電子政府・電子自治体のシステムに関すること
標準化,調達・サポートの変化,デジタルアーカイブ など
(3)電子政府・電子自治体のサービスに関すること
申請者等の認証,手数料等の納付方法,申請・届出等の到達時期等,電子文書の原本性,コンテンツの相互運用性の確保,情報セキュリティ対策,初期投資・ランニングコスト,個人情報保護法,電子政府・電子自治体の現状と今後 など

3-6 セキュリティ
(1)法的事項に関すること
個人情報保護法,電子署名法 など
(2)資格認証に関すること
プライバシーマーク,ISMS など
(3)セキュリティ技術に関すること
ネットワーク管理者,セキュリティポリシー,脆弱性(不正アクセス,パスワード解読,スパイウエアほか) など
(4)不正アクセスの対処方法に関すること
原因の特定,復旧作業,事後処理,不正アクセス禁止法,ソーシアルエンジニアリング,ファイアウォール など
(5)電子認証に関すること
SSL,バイオメトリクス,Signature Dynamics ほか
(6)電子署名技術に関すること
特定認証業務に関する認定制度,電子認証サービス

4 クロスメディア

コンテンツを独立的に管理して,複数のメディアに展開し,複合的に利用するための制作環境やインフラ技術などを理解する。

4-1 クロスメディア概論
(1)メディアの境界と融合に関すること
紙やWeb等へのメディア展開,オンラインメディア,パッケージメディア,プリントオンデマンド,コンテンツ管理,メタデータによるデータ管理,印刷会社の役割,電子書籍,オンデマンド出版,カスタム出版,Webマガジン,オンラインジャーナル など
(2)フォーマットとビューアに関すること
Webブラウザ,HTML文書,画像フォーマット(GIF,PNG,JPEGほか),PDF,ストリーミング再生,SMIL,圧縮技術(ZIP,LZH,PNG,GIF,JPEG, MPEG,WindowsMediaPhoto形式ほか) など
(3)パブリッシングで使用されるデバイスに関すること
PC(Personal Computer),PDA,Palm,携帯電話・モバイルのビジネス利用 など

4-2 プリント
(1)プリントオンデマンドに関すること
プリントオンデマンド(POD)印刷方式,紙メディアへのコンテンツ適用・技術,主要デバイス,活用方法,従来の印刷との違い,可能になった背景,主な用途 など
(2)バリアブルプリントに関すること
バリアブルデータのデータベース,レイアウト,ワークフロー,標準フォーマット(PPMLほか) など
(3)DPS (Data Print Service)に関すること
一貫受託するアウトソーシングサービス,対象業務,ワークフロー,対象印刷物 など
(4)コンテンツのXML化に関すること
XML文書をベースにした自動組版,XSL,XSLT XML-FO,表示の仕組み など

4-3 パッケージメディア
(1)パッケージメディアの種類と動向に関すること
コンテンツの分野(映像系,音楽系,ゲーム系,出版系ほか),DVD,音楽CD,ガイドシステム(美術館,イベントほか) など
(2)CD-ROMに関すること
物理フォーマットを定義した規格書,ISO 9660(論理フォーマット),その他の論理フォーマットとISO 9660の拡張,CD-R,CD-RW , 応用規格 など
(3)DVDに関すること
規格,記録層の構成,DVD再生専用フォーマット(DVD-ROM,DVD-Video,DVD-Audioほか),記録可能フォーマット(DVD-R,DVD+R,DVD-RAM,DVD-RW,DVD+RWほか) など
(4)DVD-Videoのオーサリングに関すること
DVD-Videoの仕様,MPEG2,*.IFO,*.VOB,オーサリングツール など

4-4 オンラインメディア
(1)オンラインメディアの歴史に関すること
ビデオテックス,テレテックス,キャプテンシステム,パソコン通信 など
(2)インターネットの歴史に関すること
メーリングリスト,ニューズグループ, BBS,NNTP(Network News Transfer Protocol),USENET など
(3)Webの歴史に関すること
ハイパーテキスト,メールマガジン,ポータルサイト,ニュースなどの情報提供,Webメール,電子掲示板,チャット,ブログ など
(4)モバイルの利用に関すること
着メロ,着うた,待ち受け画面,電子書籍,地図,GPS,QRコード など

4-5 コンテンツ管理
(1)アセット管理に関すること
ストレージ,アーカイブ,DAMの必要性,印刷物製作におけるDAM,印刷物を中心にした情報の流れ など
(2)コンテンツ管理システム(CMS)に関すること
(3)データ管理を中心としたシステム化に関すること

4-6 メタデータの管理
(1)メタデータの定義に関すること
XMP,Microsoft-CDP(Custom Document Properties)
(2)メタデータの歴史に関すること
図書目録,PICS,P3P,フォークソノミー,マイクロフォーマット など
(3)Semantic Webに関すること
全般的な背景,セマンティックWebの技術・特徴 など
(4)RDF (Resource Description Framework)に関すること
RDFの特徴・機能,Model and Syntax,Schema など
(5)マルチメディアのメタデータに関すること
マルチメディアコンテンツの検索,メタデータの利用法,MPEG(Moving Picture
Experts Group,ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11ほか),TV-Anytimeのメタデータ など

5 ネットワークとデータベース

発展し続けるネットワーク技術と,データ管理するためのコンテンツフォーマット,アプリケーション開発の土台を理解する。

5-1 通信インフラ
(1)通信インフラに関すること
電気通信事業に関わるプレーヤー,電気通信サービスの変化 など
(2)OSI7階層モデルに関すること
(3)インターネット接続に関すること
ネットワーク構造,アクセス回線,ブロードバンド接続 など
(4)IP(Internet Protocol)の概要に関すること
IPアドレス,IPv6,IPの上位プロトコルTCP など
(5)TCP/IPアプリケーションに関すること
FTP(File Transfer Protocol),SMTP,POP3 など
(6)通信の利用
ホットスポット,ユビキタス,携帯電話 など

5-2 HTMLの規格
(1)HTMLの規格に関すること
文書構造を記述するタグ,HTML文書の構造 など
(2)スタイルシート,CSS(Cascading Style Sheet)に関すること
(3)XHTMLに関すること
複合文書

5-3 XMLの規格
(1)XMLの規格に関すること
XML宣言,DTD,XML文書インスタンス など
(2)XML文書の表示に関すること
XSL, XSLT など
(3)XMLパーサ(XML Parser)の仕組みに関すること
DOM,SAX など
(4)その他のXMLの基盤技術に関すること
XMLスキーマ(XML Schema),XLink,XPointer,XML Signature,SVG など
(5)XMLの応用に関すること
文書フォーマットの利用形態,XML化の目的と特長,電子帳票,電子データ交換,アプリケーション用ファイル,利用されるシステムでの分類:企業内システム,利用されるシステムでの分類:企業間接続(BtoB)など
(6)各業界での応用技術に関すること
XMLと電子商取引(eコマース),ebXML (Electronic Business XML),RosettaNet(ロゼッタネット),MathML(Mathematical Markup Language),JepaX,NewsML,XMLボキャブラリ,OCF/ODF,JDF/JMF など

5-4 Webサーバとクライアント構造
(1)Webブラウザの役割に関すること
Webサーバへのアクセス,Web情報の要求と取得,HTMLパーサによるHTMLソースの解析,レイアウトエンジン,Webブラウザと外部ソフトウェアとの連携など
(2)Webサーバの役割に関すること
(3)Web 3層のクライアントサーバシステムに関すること
(4)サーバサイドで動作するWebプログラムに関すること
ASP(Active Server Pages),JSP(Java Server Pages),PHP(Hypertext Preprocessor)など
(5)クライアントサイドで動作するWebプログラムに関すること
JavaScript,VBScript(Visual Basic Script),Javaアプレット,Web2.0,Ajax,JSON など
(6)SOAP,RESTとWebサービスに関すること
(7)WebDAV(WorldWide Web Distributed Authoring and Versioning)に関すること
全文検索の仕組みと利用

5-5 データベースの基礎
(1)データベース管理システムに関すること
DBMS(DataBase Management System)の主な機能 など
(2)リレーショナルデータベース(Relational Database)に関すること
テーブルの構造,リレーションの作成,データベースの設計 など
(3)SQLに関すること
SQLの標準化,SQLの利用環境,DDL(Data Definition Language),DML(Data Manipulation Language),Webデータベース,ODBC(Open DataBase) など
(4)データベースの構造に関すること
XMLとデータベースの関係,Xpath など

6 デジタルコンテンツ

デジタルメディアの特性や用途を知り,ビジネス展開に必要な情報流通手段,著作権処理,プロジェクト管理などを理解する。

6-1 デジタルメディアとコンテンツ
(1)デジタルメディア
インターネット,ブロードバンド,モバイルコンテンツ など
(2)デジタルメディアが与える影響に関すること
マスメディア(新聞・雑誌・ラジオ・テレビほか)との関係 など
(3)コンテンツ流通に関すること
コンテンツ配信(CDN,IDCほか) など
(4)コンテンツビジネスに関すること
デジタルコンテンツの種類(文字,画像,音声ほか),デジタルコンテンツビジネスのメリット,音楽コンテンツビジネス,オンラインソフトウエア など
(5)eラーニング(e-Learning)に関すること
eラーニング関連事業(システム事業,コンテンツ事業,サービス事業,コンサルティング事業ほか),ユーザ(企業内教育,高等教育ほか),支援システム,標準規格,効果の測定 など
(6)eブックに関すること
電子書籍端末,ビューア,フォーマット,ビジネスモデル など
(7)映像に関すること
フォーマット,コンテンツ配信(ダウンロード,ストリーミングほか),色空間 など
(8)デジタルコンテンツの保護に関すること
デジタル著作権管理,電子透かし など

6-2 デジタルメディアデザインとその評価
(1)知的財産権に関すること
著作権,特許権,実用新案権,意匠権,商標権 など
(2)デジタルメディアの設計に関すること
Webサイト,DVD,モバイルなどのユーザビリティ・アクセシビリティ,JIS-X8341・WCAG
(3)クロスメディアシステムの設計に関すること
構築フロー(コンセプト確立,情報の構造化,インタフェース設計,構築,ユーザビリティ評価ほか),デザイン全般
(4)オーサリングに関すること
データ制作(テキスト,静止画像,動画,アニメーション ほか),編集,動作チェック,動作環境 など

6-3 プロジェクト管理
(1)プロジェクトの計画・運営に関すること
進行管理,コスト管理,リスク管理,人的資材管理,コミュニケーション,品質管理 など
(2)ソフトウェアテストに関すること
テストプロセスの計画,テスト結果の分析,測定 など
(3)プロジェクトの評価に関すること
プロジェクト完了報告のとりまとめ,実績評価,プロジェクト完成記録 など

2005/06/08 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会