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さらに広がるケータイ利用

携帯電話はケータイとしてさまざまなアプリケーションを生み出したが,量的な拡大路線の時代は終わりを告げ,新たな応用分野の開拓をする時代に入りつつある。 日本国内の携帯電話は個人からオフィス,屋外へと利用エリアを広げている。電気通信事業者協会の発表によると,2005年4月の携帯電話の累計契約数は8,743万台となった。内訳は,NTTドコモグループが56%,auのが22%,ボーダフォンが17%である。契約台数の伸びは鈍化しているが,携帯電話キャリアは市場拡大,シェア拡大を目指して,ユビキタス社会を目指す新たな利用シーンの提案や,オフィスユースの利用の提案に力を入れている。

新たなキャリアの誕生へ

総務省は2005年6月3日,新規参入を希望する最大2社に第3世代携帯電話向け(FDD方式)の周波数を割り当てると表明した。現在,イー・アクセス子会社のイー・モバイルと、ソフトバンクグループのBBモバイルの2社が1.7GHz帯での新規参入意向を表明している。2GHz帯についても、最大1社に対し、TDD方式による15MHz幅を割当てる方針案が明らかにされた。同周波数帯ではモバイルブロードバンド、IP携帯電話サービスの提供を目指すアイピーモバイルが参入を表明している。新規事業者の参入が実現すれば,これまで3キャリアでやや固定化されてたサービスや価格に大きなインパクトを与えることになるだろう。

オフィスは固定電話から携帯電話へ

KDDIではオフィス向けのサービスとして,オフィスビルなどの特定のエリア内で、au携帯電話によるエリア内通話を定額料金で提供するOFFICE WISEを提供している。KDDIでは実際に自社のあるオフィスビルから固定電話をなくして携帯電話だけにするという試みも行ったという。またケータイから企業イントラネット内の各種ドキュメントにアクセスできるソリューションも提供している。万が一ケータイを紛失したときには,保存データを削除することが可能である。

NTTドコモの場合は,一般ユーザにはおさいふケータイとし提供しているFelicaの機能を,オフィス向けには社員の入退室管理機能や,プリンタの出力制御などに利用できるようなソリューションとして提供している。

災害時にも使えるイリジウム

日本だけでなく,世界中どこからでも利用できる携帯のサービスが開始された。KDDIネットワーク&ソリューションズは6月1日からイリジウムサービスを開始した。端末価格は24万1500円(税込み)、月額基本料金は無料通話分2000円を含む6000円(免税)での提供となる。イリジウムサービスは66個の衛星を利用した全地球規模で利用できる携帯電話サービスだが,2000年3月に米イリジウム社が破産申請をしたため、日本でのサービスが中止されていた。屋外にいれば電話がつながるということで,自然災害時や携帯電話では通話ができない地域での通信手段として期待されている。

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2005/06/13 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会