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BlogはセマンティックWebの始まり?

Blogは日本では日記的に解釈されているが、Blogとは何ぞやというのは難しい。昔Webサーフィンといっていた頃、ネット上で見つけた情報をメモってコメントするというのが始まりであろう。その後アメリカでは9.11同時多発テロやイラク戦争などが象徴的だが、報道管制されたマスコミとは別にナマの体験談や、それに対するコメントが盛んに書き込まれて、Blogのメディア的な価値が評価された。社会的な発言をする人、つまり既存の著者やマスコミ関係の人なども自分の存在を示すのに欠かすことができないものとなった。

またBlogが広まる中で、個人にとってはホームページ作成ツールよりは検索エンジン対策もされていることや、使いやすく便利であり、掲示板からの置きかえとか、メルマガの代わり、さらにメモとか日記とかSNSとか、目的はともかく何でも書き留める手段になった。ツールやサービスとしての普及はBlogの共通の認識を失わせたともいえる。

Blogになって技術的にhtmlと大きく変った要素は、トラックバックとかRSSなどによって、それぞれは孤立している情報が、書き手と読み手の双方から、それぞれの意志によって横に連携がとりやすくなったことである。これらは手作業であるがセマンティックな仕組みをWebに持ち込んだものといえよう。これらの技術の応用で個別の情報の関係を解析するソフトもある。そうすると事実なんとなくコミュニティが見えてきて、自然発生的にSNS風になっていくように思える。

今日では技術的な意味でBlogを解釈することも多くなっている。今はたまたまBlogの数が増えたので、Blogの定期的な閲覧やBlog間のつながりが面白いと意識され易くなったのだが、この技術は本来Blogとは別なのに、今後いろいろな分野でRDFによる記述が使われるようになると、いろんな情報がBlog化するように目には映るかもしれない。Blogのビジネス応用とか既存Webサイトの機能拡張としてのBlogなどは、アメリカのBlogの発祥とは関係ないところまでいっているが、その方向はもっと進むだろう。
BlogによってRDFやRSSが認知された先には、そのRDFやRSSを活用するプログラム開発が活性化して、しだいにセマンティックWebの時代に近づいていくのではないだろうか。

通信&メディア研究会会報197号」より

通信&メディア研究会主催 techセミナー&拡大ミーティング
デジタルメディア技術の焦点とビジネス動向
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急成長するWeb広告、モバイル広告への対応

2005/09/01 00:00:00


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