本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

大きく揺れ動く、グラフィックアーツの世界

デジタル革命は印刷産業から職人に縛られる要素を取り除いてくれたけれど、その先は安住の地ではなく、揺れ動く地面であり、激流もくるかもしれない世界になった。予測されたことではあるが、プリプレスの専門的な設備はCTPくらいしかなくなり、あとの道具はコンピュータとネットワークになった。
周囲の様相も変り、カラー原稿の過半数がデジタルカメラからの入稿になった会社も結構ある。ビジネスでは従来からの紙の原本性を180度変えてしまったe文書法の成立のもとに、電子申請が本格的に動き出した。そこでは自動組版を通り越して自動文書生成が起こりつつある。その結果はPDFになって、ネットでも紙の上でも活用できる。
一般の印刷物もWEBブラウザで指定しながらサーバーで組版をさせるとか、AdobeCS2でグループウェア的な情報共有が進み、また作業中に画像のダウンロード購入をするなど、DTP環境はどっぷりネット時代になりつつある。
PODも躍進する分野である。大量処理をするカード会社のOneToOneDMが各社で行われるようになったし、大手学習塾もプリントのパーソナライズやeラーニングに向かいつつある。全体では伸び悩むグラフィックアーツの世界ではあるが、業界の明日を左右するようなホットな息吹を随所に感じることができる。あなたの会社でも、近未来に向けて挑戦していることをPAGE2006で発表して、いろいろな人と意見交換をしてみませんか?

PAGE2006コンファレンススピーカー募集!!

多くのご応募ありがとうございました。スピーカー募集は2005年10月7日で締め切らせていただきました。

2006年2/1(水)〜2/3(金)
サンシャインシティワールドインポートマート
主催 社団法人日本印刷技術協会

紙のメディアが生産されては廃棄されていくのに比べて,デジタル化された情報は蓄積され,改訂され,循環して使われ,コピーされて増え広がる。このために情報流通に混乱をきたした面もあるが,同時にさまざまな活用の可能性も出ている。
ITとネットワークはメディア制作の効率化を果たしだけでなく,印刷のパフォーマンスも高め,身近なデジタルメディアの増加とともに,紙も含めメディアの組み合わせによる利用範囲・到達範囲は広く拡大しつつある。この新たな状況を自社のビジネスに取り込むことが,クリエイターから,プロデューサー,マーケティング,制作,メディアシステム開発,流通・販売まで,情報に携わる方々の共通の課題となった。
顧客満足度を高めるには,個々のメディア制作の効率化にとどまらず,情報伝達全体を秩序だてて信頼性の高いサービスにしていくビジネスコーディネーションが成長の鍵となる。紙を含むさまざまなメディアのそれぞれの長所を引き出しつつ組み合わせて,ビジネスの流れに沿って組み立て直す提案の場として,PAGE2006は他にないイベントです。
PAGE2006コンファレンスは,印刷からWebまでの各種メディア制作の2〜3年後のビジョンを考えるために,グラフィックス,デジタルメディア,MIS/JDFの大きく3つのトラックを設け,その中の各セッションでは,先進的な取り組みをしているところに広く呼びかけて,オープンな形での運営を予定しています。

デジタルメディア・トラック

メディアの大きな役割として,ネット購買に関する,販促から,トランザクション,サポートなどがあり,この分野では紙メディアやWebなどを単独で制作することの方が例外になりつつある。主たる収益が印刷から出るのであっても土台はクロスメディア対応に作り変えなければならない。それにともないマーケティングの方法も販売促進ツールも,携帯・ユビキタスという視点で組み替えられようとしている。メディアとECのかかわりは今どうなっているのか,さらに用途が広がるブログ,eラーニングといった分野の急速な動きにも注目しなければならない。
PAGE2006デジタルメディア・トラックでは次のようなキーワードをベースにセッションを行う。これらの範疇の中で,2〜3年先をターゲットに活動を始めている方々は,ぜひ参画していただくと同時に,それぞれの試みをPAGE2006コンファレンスで発表していただきたい。

デジタルメディア・トラックリーダー 
JAGAT研究調査部 小林利恵子

●Internet Publishing
動画活用,ユーザビリティ,制作管理

●EC,クロスメディアマーケティング
Web広告,ユーザサポート,コミュニティ

●電子カタログ,電子マニュアル,電子書籍
システム,運営,コンテンツ

●eラーニング
コンテンツ制作,運営管理

●コンテンツ管理
メタデータ,DAM,標準化,アーカイブ(美術品,地域文化・情報,ビジネスドキュメント)

●ユビキタス
携帯電話応用,QRコード,ICタグ

グラフィックス・トラック

DTPはデジタル化したとはいっても,ネットワークという点では離れ小島のようなもので,前後工程とは人的なつながりでしごとをしていたが,前後工程とコンピュータtoコンピュータでつながったシステムが組める方向にある。
オープン化,データの再利用,システムの柔軟性,最適化などの要素を用いて顧客の問題解決を図り,サービスの価値を高めるチャレンジが行われている。
PAGE2006コンファレンスのグラフィックス・トラックでは,ITを使った価値的な生産性への展開を大きなテーマとして取り上げたい。このトラックは次のようなキーワードをベースにセッションを行う。これらの範疇の中で,2〜3年先をターゲットに活動を始めている方々は,それぞれの試みをPAGE2006コンファレンスで発表していただきたい。

グラフィックス・トラックリーダー 
JAGAT研究調査部 千葉弘幸

●自動レイアウト
組版エンジン,プラグイン,Web上での組版レイアウト

●オンラインパブリッシング
ASP印刷サービス,ワークフロー,コラボレーション,XMP

●カラー
カラー再現性,色管理,標準化動向,広色域印刷

●デジタルカメラ
新技術,標準化,次期目標

●デジタル印刷
バリアブルプリント,パーソナライズ,ブックオンデマンド

●XML Publishing
複合文書,XMLツール,XML関連ミドルウェア

●文字コード/字形
次期OS,ユニコード,標準化,フォント,外字

MIS/JDFトラック

生産設備のコンピュータ管理がJDFで行われるようになるには,事務処理のIT化や経営管理のIT化などが伴わねばならない。そのためにSCM(サプライチェーン)だけでなく,企業全体としてデジタルインフラの見直し,セキュリティを考慮した運用の確立が急がれている。
ITを断片的なテーマとしてではなく,MISのトータルな戦略のもとに組み立て上げて,印刷業界は社外との連携を含む全体最適化を成し遂げるために必要な環境整備が始まっている。
IT化したコラボレーションとその前提としての管理の整備はまだ始まったばかりだから,その全体像を把握するために,将来ビジョン・基本コンセプト,現状,今後の課題を話しあいたい。
MIS/JDFトラックでは次のようなキーワードをベースにセッションを行うので,2〜3年先をターゲットに活動を始めている方々は,ぜひそれぞれの試みをPAGE2006コンファレンスで発表していただきたい。

MIS/JDFトラックリーダー 
JAGAT常務理事 山内亮一

●JDF開発
規格開発,ツール開発,検証

●生産システムの連携
MISと生産システムの連携,JDFアプリケーション

●オープンシステムへの対応
インフラ対応,企業間情報交換,IT戦略

●CIM,JDFへのユーザの取り組み
CIMのビジョン,ロードマップ

●マネジメント・インフォメーション・システム(MIS)
印刷業界における経営管理,経営意思決定ツール

●JDFワークフロー
モデル化,課題

クロスメディア・コンファレンス同時期開催

会場:サンシャインシティ 文化会館7階
期日:2006年2月1日(水)〜3日(金)
クロスメディア・コンファレンス担当 
JAGAT研究調査部 小林利恵子 e-mail:

クロスメディアZONE

展示会場にて開設
展示会担当:マーケティング部 岡田・田中 e-mail:

●クロスメディアシステム
SI,コンサルティング,データベース,コンテンツマネジメント,サーバ・ネットワーク

●クロスメディア制作・管理ツール
XMLツール,デジタルイメージング,ICタグソリューション,グループウェア,eラーニング,電子カタログ,セキュリティ,ストレージ,電子透かし,2次元コード

●クロスメディアサービス
コンテンツ配信,ECプラットフォーム,制作サービス,マーケティング

Call for speaker

急速に進行するIT化,EC化のなか,日本の産業構造が大きく変革していく時代にあって,過去のビジネスモデルが通用しなくなり,それぞれの事業プランは以前にも増して緻密なシナリオ化が必要になっています。しかし個々の企業の判断・理解が可能な領域は限られているので,お互いのビジョンや試行錯誤の経験を有効に交流させて,今後3〜5年後のビジョンを強化するための話し合いをしようというのがPAGEコンファレンスの開催主旨であり,グラフィクアーツ業界の将来を左右するトピックスを濃縮した各トラックのプログラムは,関係の経営者・管理者にとって最も重要なものとなることを目的としています。

各トラックの主旨のように,近未来のビジョンをもって上記に関する取り組みをされていて,PAGE2006において30分ほどのプレゼンテーションが可能な方は2005年10月7日までに,各トラックリーダ宛に,発表できるテーマについて簡単な内容をお書きの上,eメールにてお送りください。追って当方から,連絡を申し上げます。

ご応募いただいた方には,PAGE2006基調講演にご招待をいたします。また各トラックのセッションで発表いただくことが決まったスピーカーの方には,PAGE2006コンファレンス全セッションに参加できるフリーパス(94,000円相当)を差し上げます。

締切:2005年10月7日(金)

参考:前回のPAGE2005は ここ

社団法人日本印刷技術協会
〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11 TEL 03-3384-3113
詳細は http://www.jagat.or.jp/page/

2005/09/20 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会