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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

6月の書籍・雑誌販売金額前年比は2.2 %増であった。2005年上期では4月に次いで2回目のプラスだが、内訳を見ると書籍が前年比横ばいであるのに対して雑誌が3.6%増と健闘した点が特徴である。雑誌は、月刊誌のコミックス、ムック、別冊が7%増となり、定期刊行物も健闘して8.1%増と大きく伸びる一方、週刊誌は▲10.0%と相変わらず大幅な落ち込みになっている。返品率は、書籍が44.5%で対前年比1.0ポイント上昇する一方、雑誌は33.7%で0.9ポイント改善した。

6月の広告業売上前年比は1.7%増であった。傾向としては2004年度中は好調に推移していたが、2005年4月以降は伸び率がかなり鈍化し、5月、6月の伸び率は1%台にとどまっている。伸び率鈍化の最大要因は、マス4媒体の低迷で、特にテレビと新聞というシェア上位2媒体の低迷である。6月のテレビは前年比▲3.1%で2ヶ月連続の前年割れ、新聞は▲5.1%でこちらは4ヶ月連続の前年割れになっている。一方、交通広告、屋外広告、折込・ダイレクトメールは順調に伸びた。

仕事の状況

一般インキ出荷販売量前年比は▲0.1%であった。昨年12月以来6ヶ月連続の前年割になっている。その第一の要因はグラビアインキの不調である。2005年に入ってからは、3月(0.1%増)を除いて前年を下回っており、その中で平版インキの伸びが鈍化していることが効いている。平版インキの伸び率は、4月(1.9%増)、5月(1.5%増)と連続で2%を切っている。樹脂凸版インキも良くないし、凸版・凸輪インキ、シルクスクリーンインキを含む「その他」も不振である。

6月の印刷情報用紙の国内出荷高前年比は0.3%増の前年並みであった。6月は塗工紙が前年割れとなった。コート紙が▲3.0%とマイナスになったことが効いている。軽量コート(1.9%増)、微塗工(5.9%増)は順調であった。非塗工紙は、全体として▲1.1%である。 2005年上期で見ると、非塗工紙の前年比は▲1.4%、塗工紙は2.1%増である。塗工紙ではアート紙が▲6.1%に対して、コート紙1.1%増、軽量コート紙3.8%増、微塗工紙は5.5%増となっており、技術進歩による品質改善もさることながら、印刷物発注者の経費削減のニーズの高さを示すグレート毎の変化になっている。 (JAGATInfo 2005年9月号より)

2005/09/25 00:00:00


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