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デジタルカメラによるRGBデータ入稿の動向

デジタルカメラの普及により,印刷用原稿として多くのRGBデータが入稿されるようになった。しかし,入稿されるRGBデータの形式や画像品質など課題も多いといわれている。
これらの現状や問題点を把握するため,社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)では,印刷会社を中心にデジタルカメラによるRGBデータ入稿についてアンケートを実施した。
「プリプレスにおけるRGBワークフローアンケート」と題し,2005年9月FAXにて送付し,79社から回答を得た。
回答した企業の主な製作品目は,商業印刷物:6割,書籍・出版印刷物:2割,ラベル・シール:1割,その他ビジネスフォームである。

アンケート結果の一部を紹介すると,印刷会社は入稿した画像データの約8割について何らかの修整や補正を行っていた。
また,従来のスキャナ分解と比較した場合,補正・修整の手間については,以下のように「増加した」という回答が多かった。



今後の課題については以下に示すように「これから検討する」,「モニタやプリンタなどのカラーマネジメント」,「RGBレタッチなどの人材育成」が多く,「AdobeRGBモニタなど設備の拡充」はやや少なかった,

項目
回答数
これから検討する

41

モニタやプリンタなどのカラーマネジメント

40

RGBレタッチなどの人材育成

42

AdobeRGBモニタなど設備の拡充

23



アンケート結果を見ると,画像データの多くは何らかの修整・補正が加えられ,デジタルカメラによるRGBデータ入稿は,従来のスキャナ分解と比べ修整・補正の手間が増加傾向になっている。
また,今後の課題としてモニタやプリンタのカラーマネジメントやRGBレタッチの人材教育を考える企業は多く,AdobeRGBモニタなどに頼るケースはやや少ない。

アンケートでも裏付けされたがRGBデータ入稿は増加しており,各印刷会社において品質や効率向上に向けた工夫や改善が必要になっている。
そのような環境のなかトラブル回避や効率向上のため,ワークフローを独自に工夫したり,社内外用マニュアルを作成するなどの取り組みを行っている印刷会社もある。

関連情報 : デジタルカメラによるRGBデータ入稿の現状と課題(アンケート結果の現状分析と印刷会社2社による現状と事例)

2005/10/13 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会