今紙のカタログの利用とは別に、Webでの販促を目的にした電子カタログの利用は不可欠となっている。
当初Webでのカタログ利用は、商品情報を載せることがメインであったため、紙の情報をWebへのデザインへの置き換えという形であった。紙のカタログを制作する印刷会社も、この情報をWebへ載せるビジネスを行ってる会社も多かった。
しかし印刷物の情報をWebでも見れるようにという、閲覧を目的とした電子カタログ利用もあるが、最近では顧客とのコミュニケーション機能により、販売や情報サービス、その他ビジネスの仕組みとしてWebを利用するようになってきている。このためシステムは高度なインタフェースを持つなど、ひとつの情報システム的な仕組みも含まれ、印刷ビジネスとは違った方向になってきている。
このため印刷ビジネスもWeb制作まで受注するのではなく、デジタルデータを提供するビジネスになりつつあるが、しかし問題も多いようである。
電子カタログを、今では印刷物のイメージをそのまま載せている、一般的に「ぺらぺらめくり」と言われているWebカタログをはじめ、いろいろな形で利用されれている。
利用の仕方も通販カタログをそのまま載せて、そこで販売できる仕組みも付けたEC利用があるが、情報検索で商品情報を見れるようにするケースから、一部掲載して資料請求に利用する方法など、目的によりデータの利用やシステムの仕組みが違っている。
今、商品情報は印刷用データから抽出する場合と、商品情報を先に作りそこからWebや印刷物に利用するケースと二つの流れが考えられる。
オンラインショッピングを行うECサイトを開いている流通サイトも、最近ではすべてそこで物を売るのではなく、いろいろな販路を利用して売ることが増えているそうである。そのためには、電子カタログのための情報は、一箇所で利用するのではなく複数箇所で利用することになり、複数箇所にデータを提供する仕組みを持つことが求められる。
これはデジタルデータを提供しようとする印刷会社には求められることである。
「ぺらぺらめくり」といわれるWebカタログへのデジタルデータの提供においても、提供の方法が求められる。今紙のカタログからスキャンして作るのが主流だそうだが、今後はこの流れも課題になってくる。
住んでいる近辺の電子チラシやカタログをサービスしている「Shufoo!」のサイトは、地域ごとでその近辺で配布されているチラシやカタログを電子化して、地域密着型で地元の人へのサービスとなっている。
地域のチラシやカタログを電子チラシ・電子カタログとしてみることができ、尚配信サービスを受けられるサービスのようだが、ここでも印刷物から電子チラシにする流れが存在する。
同様に通販カタログを集め、通販会社間で比較しながら商品検索をできるサイトも出てきているが、ここでも当然電子カタログを集めて利用する流れが存在する。
最近の傾向としては、流通側にデータベースを構築しそこに商品情報を入れて利用する。Webへの利用も、紙のカタログへの利用もそこから行うという考え方である。このような流れが出てくると、画像を入れてたり商品情報を取り出したりすることが紙のカタログ制作側にも要求される。
電子カタログを扱う上では、印刷ビジネスとして考えていくべき範囲は以下のようなケースも含まれる。このような部分をサポートすることでビジネスが広がってくるのではないか。(関連セミナー『進むWebの電子カタログ利用事例と印刷物制作との連携や課題』)
・流通側にDBがある場合、そこにデータを提供しまたそこから印刷物を制作する
・複数箇所へデータを提供する場合のデータ管理と配信サービス
・通販情報提供サイトの資料発送や宛名管理サービスなどの一括サービス
・Webカタログを活用するビジネスへのデータ制作の流れの支援
2005/11/06 00:00:00