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MISが連携されムダを廃し勘に頼らないスリムな生産工程

PAGE2006では展示会場内のMIS/JDF ZONEと無料プレゼンコーナー「JDFステーション」で、印刷産業が目指す全体最適化の姿や内容を理解頂くとともに、ぞくぞくと登場してきたJDF対応製品の内容と効果を見ていただきます。

■MIS/JDF ZONE
会場:展示ホールB,C JDFで実現が可能な印刷CIMの姿は、デジタルネットワーク上で異なる種類の生産システムやMISが連携され、生産の自動化が進んでいて、さらに工程のムダを廃し勘に頼らない計画や予測とミスが少なく即時性のある経営管理システム(MIS)が再構築された、スリムな生産工程を備えた工場となります。

JDFの役割は、印刷の受注〜生産〜納品に至る標準項目の重要な共通フォーマットです。生産の自動化が進んだ姿ではプリプレスやCTP工程の自動処理、生産機器の自動運転、インターネット経由のリモート発注から生産の一貫化などが可能です。生産システムと連携したMISの姿は、工務部門や生産管理だけでなく、営業・顧客・協力会社との間でも受注から納品情報までムダやミスの少ない即時性ある工程情報を、縦横に共有化できるようシステム再構築されたものです。

会場内の各所にあるJDF対応システムを展示しているブースは,共通のCIP4/JDFのロゴマークによってMIS/JDF ZONEであるとともに、JDFステーションへの参加企業であることを示してあります。各システムなどがJDFにどのように対応しているかの全体を漏れなく見ていただくことができます。 MIS/JDF ZONEではぞくぞくと登場してきたJDF対応製品の内容と効果を見ていただくとともに,MIS/JDFステーションで行うオープンセミナー(無料)を聞いて,印刷産業が目指す全体最適化の姿,内容を理解してください。

●JDFステーション「ここは印刷CIMへの始発駅」(展示ホールC)
JDFワークフローを含むCIM,さらにEDI/ECにまで広がるデジタルネットワーク化を俯瞰した資料[JDFガイド](無料)を配布します。JDFステーションではCIP4/JDFのロゴマークを掲げたJDFステーション参加ベンダーにより、無料プレゼンセミナーが開催されます(展示ホールC)。ここでは印刷会社の全体最適化がどのように利益に貢献するのかを解説するとともに,関連製品がどこまで進化しているかを紹介します。

【解説】
印刷CIMを実現するMISをベースにした全体最適化
次世代の印刷業は短納期・多品種・小ロット製品化されていくフレキシブルに対応しながら、タイミングよく生産できるようなる為にCIMの導入を目指していく必要があります。これによって、人手を介さないので効率よく低コストで生産し、特に高品質、信頼性ある製品作りが可能となり、ローコストオペレーション&高品質の印刷物を作成できることになるのです。

JDFをベースにどのような方法で今後の印刷業務を管理するかについては、まず作業の標準化を行う事が必要です。たとえば、印刷物を作成するにはどの程度の時間が必要かを求める為に作業工数を算出しなければなりません。これによって、工程務管理者以外でも標準化された内容に於いて各工程別の工数算出が可能です。そして、予定工数と実工数の差がきちんとつかめるようになるのです。

このように、デジタルネットワークを基盤として、さまざまなITを活用した新たな仕組みによって情報流通におけるボトルネックを解消し、情報の有効活用も可能して、従来にないコストダウン、ミス・ロス削減、顧客満足向上、あるいは新たなビジネスモデルを構築すること。その範囲は自社のみならず、外注先、資材調達先、顧客にも及ぶものとして組み立てていく。新しい仕組みには、JDFワークフロー、CIM、EC/EDIなどのIT技術が応用される。その中核は各社のMISです。

4つの最重要課題
JDFワークフローを効果あるものとするためには、次のような課題があります。(1)紙伝票による情報伝達の遅れ、(2)自動処理の更なる推進で自社の強みの発揮、(3)製版、印刷、加工工程間での製版データの共有化、(4)段階的なJDFワークフローの構築。

ステップアップへの入り口
このための、既存設備やシステムを前提にした、それぞれのステップアップへの入り口も見えてきました。
(1)工程設計ソフト(プリプレス)からポストプレスへ
   工程設計ソフトで作成したJDFをポストプレスに投げる場合
(2)MISで全ての段取を作成からポストプレス
   MISで全ての段取りを作成してポストプレスに投げる場合
(3)MISで全ての情報を集約してポストプレスへ
   MISで工程設計ソフトの情報吸い上げ、まとめてポストプレスに投げる場合
(4)MISの粗段取り+工程設計の詳細情報をポストプレスへ
   MISから粗段取り情報のJDFファイルをポストプレスに投げ、詳細情報はID合わせで工程設計ソフトからJDFファイルで受け取り、ポストプレス側で連結する。

JDF導入の最初のステップとして、1のパターンがあります。このパターンでは、面付けソフトや工程設計ソフトでJDFファイルを作成して、JDFファイルでありながらPPFファイル的な一方通行での運用方法にします。製本機を動かすためだけであれば、この方法で十分で最も理解しやすく導入も比較的楽に行くでしょう。しかしJDFワークフローとしては機能が限られ、MISとの連携になっていません。

4のパターンはMISがコントロールセンターになっていて、受注が入った時点では印刷工程への指示を細かいパラメータは入れずに工程日程だけをして、プリプレスの指示は指示として出して作業を進め、その後、プリプレス作業が終った段階で、印刷の作業指示を上書きし刷版のID等も渡すという2段階にすします。現在の印刷現場の流れそのものであり、柔軟な対応が取れる方法でもあります。

自動化の姿を実現しつつあるPOD
JDFを利用した自動化に最も近いところにいるのが、POD(デジタル印刷)で、インターネットを利用して印刷の入稿から出力まで自動化を目指しています。流れは、印刷物発注者→Web経由でPDF/JDF→RIPに入稿→デジタル印刷・簡易製本→出力後JDFの内容を確認して発送を可能にします。 発注者はドキュメントをPDF化して、さらにアドビのアクロバット7のJDFジョブ作成機能を使ってJDF情報をアクロバット上で入力し、JDFに対応するPODのRIPにインターネットなどで送信。こうするとJDF電子伝票は必要なPDFページデータをダウンロードしてくるのです。PODでの印刷をリモート化でき、実績データはJDFからMISへのフィードバックへも可能です。

印刷業務のEDI化
次ステップは印刷業務のEDI化で、外部との受発注情報の交換であり、電子商取引の標準伝票のルール化で、これには統一化された共通の言葉が必要になります。例えば、調達分野では用紙JANコード化を紙商グループが提唱してJANコード化をすすめています。

JDFについて
JDFは標準化団体のCIP4が策定した印刷工程の情報をやり取りする共通の電子伝票書式で,装置そのものでもシステムでもありません。しかし,生産設備への指示や稼働情報を再入力せずにMISとやり取りすることができます。このような機能は,リアルタイムでの進捗状況とコスト把握を可能にするだけではありません。通信ネットワークを通じて営業,顧客,協力会社が情報を共有することによってコミュニケーションのボトルネックを排除して業務の流れをスムーズにし,ミス・ロスを大幅に削減することもできます。さらに,MISと連動させて生産計画の最適化や予定変更時の迅速対応,あるいはより迅速で適切な経営判断支援など,経営全般にわたって効果を発揮,企業の利益増大に貢献することができます。CIP4メンバーはベンダーを中心に1472社(2005.12.7時点)でJAGATも参加しています。

■MIS/JDF ZONEは詳細が決定次第、次のPAGE2006ホームページに掲載いたします→ PAGE2006へ

PAGE2006コンファレンス・セミナーの申込は,早期申込がお得です。
◆早期申込の参加費(税込)【申込締切は2005年12月27日(火)です。】
  1セッション 申 込:15,750円
  3セッション一括申込:31,500円(1セッション当り10,500円)
    [3セッション一括申込は,FAXでお申込願います。]
◆当日申込の参加費(税込)【残席のあるセッションのみの受付です。】
  1セッション 申 込:17,000円 [3セッション一括申込はありません]

2005/12/25 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会