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浸透するXMLパブリッシング(テキスト&グラフィックス研究会 速報)

官公庁自治体向け公報システムの取り組み
<WordドキュメントとXML技術の活用>

株式会社モリサワ 開発部 課長 枝本 順三郎氏

自治体の「公報」とは「広報」ではなく、自治体の条例や公告、告示などを知らしめるための日刊紙である。
この自治体では、A4版、2-3段縦組みの書式を採用している。原稿は各部局でWordで作成していたため、字送りをスペース(空白文字)で代用したり、テキストボックスを多用、外字も個々に使用するなど、たいへんな手間がかかっていた。また、印刷会社でも品質の割りに修正や校正の手間がかかっていた。

今回、システム化にあたり、Word原稿を容易な横書き入力とするようにした。また、さらに入力を容易にするためのテンプレートを用意した。Wordのアドインソフト「OTパレット」により外字の一元化と簡易入力、さらにモリサワフォントのAdobe1-5の文字をWord上で利用することができる。
テンプレートはWebサーバー上にあり、必要に応じてダウンロードし使用する。原稿が完成すると、Webサーバーにアップロードし、PDFの最終イメージを確認することができる。
サーバー内では、WordからXMLデータに変換され、XMLデータから自動組版が行われている。

Web入力と自動組版を活用したXMLパブリッシング
<六法編集・出版システム>

株式会社エクスイズム 代表取締役 徳江 一義氏

エクスイズムは、XML化、XMLWeb開発、自動組版および印刷媒体制作の連携などのソリューションを提供している。
東京法経学院出版向けに、六法編集システムを納入した。
従来、この企業では制作会社にDTP作業を委託していたため、待ち時間が多い、Web用には別にデータを作るなどの問題があった。そのため、データのXML化・一元化、社内でのWeb環境での編集組版、法改正等の即時反映、別冊等へデータ活用、Web公開への転用を検討していた。

エクスイズムでは、Webブラウザからの入力・編集システム、XMLデータベース構築、XML自動組版などの技術によりこれらを実現した。4000ページ以上の六法を、索引も含めて自動組版を行い、発行した。
Web公開へのデータ流用も、近く実現する予定である。

2006/03/20 00:00:00


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