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印刷物はどのくらい輸出・入していますか?

印刷界OUTLOOK2006(7)

2006年4月1日 印刷界OUTLOOK2006 一覧

●印刷物輸入は3年ぶりに減少

財務省の「貿易統計」によると、2004年の印刷物の輸入額は、前年比0.9%減少して1042億3000万円となりました。輸入総額としては3年ぶりの減少となりました。
かつて印刷業は内需型産業と言われましたが、グローバル化の流れと技術の発達で、海外で印刷物制作が可能になりました。従って、低コストを求めて印刷需要の海外流出が懸念されますが、印刷産業の顧客である企業の工場が海外進出すれば、それに伴い包装印刷物(パッケージ、ラベルや取扱説明書、マニュアル)の製作を海外で行うということもあります。これは包装資材印刷物の利用のされ方から当然のことと言えるでしょう。
しかし、デジタルデータ処理などはともかく、完成品の印刷物輸入は短い納期と物流コストを考えると印刷産業全体としては大きな問題とはならないでしょう。
一方、輸出額は前年比2.3%増の431億7000万円となっています。

●輸入が伸びる包装資材、事務用品

印刷品目別に輸入額のシェア推移を見ると、はがき、カレンダー、宣伝印刷物などの商業印刷物は27.4%で、前年比で0.2ポイントのアップとなりました。しかしシェアは上がりましたが、金額では285億4700万円と前年よりわずかに減少しました。
トップは書籍で、そのシェアは前年より2.1ポイント下がり、39.7%となりました。金額も、413億9700万円で前年比5.9%減となりました。以下は、定期刊行物(新聞・雑誌など)が14.0%で145億7500万円(前年比13.1%減)、包装資材が11.1%で115億8100万円(同21.3%増)、事務用品(帳票、便せん、メモ帳、日記帳など)が7.8%で81億3000万円(同31.2%増)と続きます。近年は包装資材、事務用品の伸びが目立ちますが、これらの輸入相手国としては中国が大きく伸びているほか、全般的には東・東南アジア諸国が目立ち、低コストを求めて国内の印刷需要が流出したものと思われます。
輸出については、書籍がシェア27.8%で前年比4.2ポイント減、包装資材32.3%と同1.7ポイント増加しました。定期刊行物は10.4%で同0.2%増、商業印刷物が27.5%で同2.2ポイント増となりました。


2006年4月号より

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2006/05/02 00:00:00


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