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出版物はどのくらい発行されているのでしょうか?

印刷界OUTLOOK2006(11)

2006年4月1日 印刷界OUTLOOK2006 一覧

●書籍・雑誌で年間約36億1269万冊

減少傾向が続いていた書籍・雑誌の販売額は2004年は8年ぶりに増加しましたが、2005年は再び減少となりました。全国出版協会・出版科学研究所の「出版月報」2006年1月号によると、2005年の書籍の推定販売部数は、前年比1.3%減の7億3944万冊となりました。推定販売額は9197億円で前年比2.5%減となりました。2004年は比較的高額な『ハリー・ポッター』の新刊や、映像メディアと連動した大ベストセラー書籍があり、2005年もいくつかのミリオンセラーが出ましたが前年の反動が出たようです。
一方、雑誌の推定販売部数は28億7325万冊で、前年比で3.3%の減少となりました。月刊誌は1.5%減の18億9343冊、週刊誌は前年比6.6%減の9億7982万冊となりました。
雑誌全体の販売金額は前年比1.8%減の1兆2767億円で、その内訳は月刊誌が0.1%減の9905億円で、週刊誌は7.1%減の2862億円となり8年連続の減少となりました。書籍と雑誌の合計では、前年比2.1%減の2兆1964億円で2年ぶりの減少となりました。

●止まらない雑誌の不振

書籍はインターネットコンテンツを元にしたいくつかのベストセラーが生まれました。しかし、全般には映像との連携や一部の著名作者のものに売れ行きが片寄る傾向にあるようです。雑誌販売部数は10年連続で減少しており、付録などで部数減を止めようにも一時的な効果しかないようです。フリーペーパーの普及、インターネットや携帯電話などのメディアと競合するケースも多く、需要に影響を与えているようです。
少子・高齢化などの影響が各界で言及されていますが、出版市場もその影響は免れず、今後も市場は厳しいものと予想されます。コンテンツ配信ビジネスとしての電子本(eBook)の動向なども注目されますが、特に携帯電話向けの市場はコミックスを中心に広がりつつあります。
2005年の書籍の新刊点数は、7万6528点と前年比2.6%増と6年連続の増加です。雑誌の創・復刊点数は前年より15点減少して201点、休・廃刊は前年より32点減少して140点となりました。月刊誌の平均価格は536円、週刊誌296円と、それぞれ前年比1.1%増、0.3%減となっています。


2006年4月号より

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2006/05/17 00:00:00


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