本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

日本のインターネット企業

インターネット企業の主な事業分野は、ポータルサイト・インターネット接続(プロバイダー)・モバイルサイト・IPネットワーク・各種のコンテンツ配信(メディア)・携帯電話向けコンテンツ配信・ネット証券と金融・広告作業と配信・Web制作・検索と評価・ネットワークセキュリティ・ソフトウエア開発・ネットワークソリューション・システムインテグレーション・情報家電等多岐にわたる。

昨今、わが国のマスメディアを賑わしたインタネット企業といえば旧、ライブドア(堀江貴文社長)、楽天市場(水谷浩史会長兼社長)、ソフトバンク(孫正義社長)らによる日本のプロ野球参入やリアルワールドに於ける民放買収騒動である。

プロ野球参入で、近鉄球団を買収する意思ありとライブドアの堀江社長が発表したのが2004年4月のことであった。その後は我々の記憶に新しいので割愛するが、ソフトバンクと楽天市場はインターネット企業の勝ち組として残った。

現在のところはっきりしているのは、インターネット企業で成功する早道は米国の先行事例を徹底的に実地で研究することだ。そこで培われた人脈や勘がものをいっている。そして何より日本の資産家たちが米国の投資事情をよく研究して投資先を選んでいる。企業家は、情報力が十分でない大衆投資家をだましてはならない。

Yahoo!BBの親会社ソフトバンクと楽天市場はどうちがうのか? せっかくだから少しだけ触れておきたい。2006年4月時点でソフトバンク株式の時価総額2兆497億円(2005年総売上/連結決算8,370億円・同経常利益452億円)、楽天のそれは1兆3250億円(2005年総売上/連結決算1,298億円・同経常利益358億円)。

インターネット上でも簡単に調べられる両社の会社概要で、ソフトバンク設立(以下この項ではSと表示)は、1981年にパソコンソフトの流通事業として発足。同じく楽天市場(以下Rと表示)は、1997年にEコマース事業として発足。

現在に於ける事業領域は、S:ブロードバンド・インフラ事業・固定通信事業・Eコマース事業・インターネット カルチャー事業(広告事業とオークション事業、ブロードバンド ポータル事業等)・放送メディア事業・テクノロジーサービス事業・メディアマーケティング事業・海外ファンド事業等。

一方、R:Eコマース事業(楽天市場、ブックス マーチャンダイジング事業、エンターテイメント事業を含む)・ポータル メディア事業・トラベル事業・金融事業・プロスポーツ事業等である。

[注3] ポータル サイト:インターネットと自分のPCを接続するためには、たとえばマイクロソフトのインターネット・エクスプローラのようなブラウザーと呼ばれるソフトを使う必要がある。

ポータル サイトとは、このようなブラウザー搭載のPC(普通のPC)を立ち上げると、最初に表示される画面(インターネットの玄関)のデジタルワールドにおける所在地である。日本のではYahoo!BB、nifty、msn、biglobe、rakuten、nttnavi、infoseek、gooなど多数が運用されている。ちなみに、インターネット上に無数に散在する情報の場所のことをWebサイトと呼ぶ。

以上、ソフトバンクと楽天市場の事業領域はかなり重なっているが、決定的な違いはソフトバンクでは孫社長の特徴が発揮されて、デジタルワールドとリアルワールドをまたぐ巨大な通信事業者を目指していることである。そのことを一層際立たせたものに英国に親会社を持つ日本3位の携帯電話会社ボーダフォンを約1兆8千億円で買収すると今年3月に発表し実現したことである。

このことによって、ソフトバンクの通信事業は固定と移動にまたがる回線規模が約2,600万回線の総合通信事業者となり、グループ全体の売上高が2.5兆円規模に進展することになる。

2006/05/29 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会