本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

コンテンツとキーワードの好循環構造を作れ

Webサイトを構築して、そこに潜在顧客を多く誘い、何らかのマーケティングをする際に、登録してもらってパーソナライズするとか、利用者のブラウザでの挙動をサーバに報告させるスクリプトをつけるとか、あの手この手の開発が行われたこともあったが、あまり個別な事象のデータを集めても分析のやりようがなくなってしまう。つまり男性が女性へのプレゼントを買う時、家族のために、また人に頼まれて買う時などもあるので、データの活用のしようがなくなるか、誤用することにつながる。

気の利いた店員さんは、顧客のことを根掘り葉掘り詮索しなくても、お勧めはできる。場の雰囲気によっては何もお勧めしないのがふさわしいこともある。最初からECのソリューションとして個別の突っ込んだ開発をさせようというのはIT屋の陰謀のようなものである。実際には検索エンジンのキーワード広告程度の緩やかなデータでも他メディアに比べて十分有用なものとできるから、まずそこから始めるのが基本であろう。

キーワード広告のキモはまさにキーワードそのもので、商品なりサービスに結びつく適切なキーワードはIT屋さんに考えてもらうことはできず、サイトを運営する人の能力にかかっている。キーワード広告における同業他社との差別化戦略は、いかにキーワードに対してセンシティブかどうかにかかってくる。

これには日常2種類の努力が必要である。第1は検索エンジンを使い倒して、自社に関係したどんなキーワードでどんなサイトがどういう順位で出てくるのかを知ること。第2は自社サイトを訪れる人がどんなキーワードに興味を持っているのかを知ることである。だからまずふさわしいキーワードのコンテンツをもつこと、次に自社サイトに検索サービスをつけて、人がどんな検索語を入れるのかを統計処理することになる。

当然ながらよく検索される語に関係するコンテンツを増やしていかなければならない。自社サイトに商品の宣伝ばかり並べてもリピートは増えない。最終的には商品に結びつくような情報ページをもつことの意味はそこにある。コンテンツとキーワードの好循環の構造を作っていけば、適切なキーワードを得られるとともに、検索エンジンでも上位に表示されるようになるだろうから、本来的な意味で効果があるサイトになる。

クロスメディア研究会会報206号」より

2006/06/07 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会