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リッチ・インターネット・アプリケーションの向かう先は

掲載日: 2008年10月13日

Web・IT関係者に必須の知識「RIA」の特徴。Webアプリケーションとデスクトップの融合はどこへ向かうのだろうか。

前回の記事で、RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)の本質と、WebおよびIT関係者はFLASH(とAIR)やSilverlightについての知識を深めることが必須であろうと紹介しました。AIRやSilverlightについてまとめてみます。

AIRについて
AIR(Adobe Integrated Runtime)はアドビ・システムズ社から提供されるアプリケーション実行環境です。当初、開発コードネームはApolloと呼ばれていました。AIRで動くアプリケーションや、その開発技術を指してAIRと呼ぶ場合もあります。

AIRの特徴
1 - OSを超えて動作が可能 - Windows XPに限らずWindows VistaやMacOSX、Linux上でも動作するデスクトップ・ウィジェットを単一の開発技術で開発できる。
2 - クライアント開発技術に既存技術を流用 - Flex、Flash、ActionScript、HTML、JavaScriptなど「すでにノウハウを蓄積した技術」を流用可能。
3 - 新しいマッシュアップの可能性 - AIRの内部にはHTMLやPDFを再生する技術が入っており、それらを「オブジェクト」として扱うことができる。
参考:いまさら聞けないAdobe AIR「超」入門

Silverlightについて
Silverlightは、マイクロソフト社によって開発されたクロスブラウザ・クロスプラットフォームを実現する、軽量なWebブラウザプラグインアプリケーション。WPFのサブセットとして開発されたため、XAMLを媒介に、開発者とデザイナーがそれぞれの使い慣れたツールを使用して完全に分業できます。

Silverlightの特徴
1 - 軽量なランタイムと簡単なインストール - ランタイムは主要なWebブラウザに対応し、ダウンロードサイズも2MB程度と軽量。
2 - 統合的なメディア形式 - WMV(Windows Media Video)、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers) VC-1、WMA(Windows Media Audio)、MP3 Audioをサポートする統合的なメディア形式により、高精細(HD)からモバイルまで幅広く対応。さらに、ブロードキャスト型オーバーレイを統合することで、品質を損なうことなく、滑らかなビデオやアニメーションを使った配信が可能。
3 - 既存のWebテクノロジーとの容易な連携 - JavaScriptや.NET Frameworkをベースとしているため、既存の技術(XHTML、AJAX、PHP、Apacheなど)との連携も容易。また、JSON、RSS、POX、RESTなどの共通プロトコルやLINQもサポートしているため、Webサービスやマッシュアップともシームレスに連携。
参考:ゼロからはじめるSilverlight

それぞれ、クロスプラットフォームを実現していることが共通しています。(Silverlightはクロスブラウザも謳っています。AIRはWebkitというWebレンダリングエンジンを内包 ※Webkitは、もともとSafariのために作られた技術で現在はGoogle ChromeやAndroidにも採用されています)

昨今のRIA熱を牽引している両社の技術ですが、それぞれどこへ向かおうとしているのでしょうか。クロスメディア研究会では10月29日(水)にtechセミナーとして「これからのRIA」を開催します。ディスカッションもあり、両社の思惑を耳に出来るチャンスかもしれません(導入企業様もご登壇予定)。質疑応答もありますので、導入にあたっての疑問やサービスについての方向性など、率直に意見交換ができるのではないでしょうか。

セミナー詳細はこちらから。申込み締め切りは10月28日までとなっております。

10月29日(水)クロスメディア研究会techセミナー「これからのRIA」

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