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価格以外の分野(顧客の望む品質やスムーズなやり取り、提案など)で付加価値を高め優位に立つことが重要である。
一般的に、同じような品質、機能をもった商品が競合する場合、消費者はより価格の低い商品を選択する傾向がある。したがって、各企業は他社より少しでも低い価格設定をするためにコストダウンを図るが、もちろん限界はある。そこで価格以外の分野、つまり商品やサービスの品質、ブランド力、デザイン、機能、アフターサービスなどによって、他社との差別化を図りながら顧客のニーズに対応し、競争力を高めていく必要がある。
印刷業界も例外ではなく、価格以外の分野すなわち顧客の望む品質の提供や顧客とのスムーズなやり取り、顧客への提案など、他社との差別化を図り付加価値を高める分野で優位に立つことが重要である。
印刷物の製作工程は、DTPやCTPなどデジタル化が進んだが、いまだに複雑な部分があり、数値化や標準化されていない工程も多いのが現状である。例えば、校正(訂正)のやり取りひとつ見ても「級下げ」や「明るい赤色に」など、数値化が困難なため、直しの結果である解がひとつではないケースが多く、スキルやセンス、判断力が必要になる。
したがって、顧客の意向を汲み取ることができなかったり、スキルが不十分では効率的に顧客が満足する製品を作ることはできない。
また、近年ではWeb to print、デジタル印刷、広色域印刷などの新しい技術やWebサイトなどの紙以外の媒体にも積極的に関わっていく必要がある。これらは、顧客の利益になる提案のための素材になることはもちろん、印刷業界が単なる価格競争から抜け出し、付加価値のある情報加工産業として収益構造を変える上で非常に大切な要素になる。
印刷会社に必要なトータルな人材を養成する集中講座
第13期プリンティングコーディネータ養成講座 (2009年9月16日開講)
本講座では、印刷物の設計、品質管理、企画支援など実務的な講義を通して「コーディネータとしての目、判断力・指示力」を養い、「良い印刷物とは何か」を深めていく一方で、印刷から電子メディアへの展開や付加価値の高い特殊印刷・特殊加工のコーディネートも目指します。