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ネットマーケティング概況と、アクセス解析について学ぶ。
4/23(金)、クロスメディア研究会は3ヶ月シリーズで開催する研究会セミナー「Webマーケティング分野の基本を学ぶ ~ネットマーケティングの概況とアクセス解析について~」の第1回を開催した。講師はトランスコスモス萩原雅之氏とクロス・フュージョン衣袋宏美氏。
最初にトランスコスモス萩原氏より、「ネットマーケティング概観とクロスメディア」と題して、このシリーズ全体の導入ともいえる概況について。
コンテンツ・印刷業界における「クロスメディア」という言葉の意味するところは、(Wikipediaによれば)「一つのコンテンツ・データを多用途として、複数メディアへ出力する手法をさす。メディアの特性に合わせて、色空間、文字量、(動画など)扱うデータ種別を変える必要がある」ということである。これに対して、広告・マーケティング業界における「クロスメディア」は、メディアの相乗効果を狙うことを指し、それぞれが補完しあうメディアミックスとは異なる。メディアミックスの指標として、消費者にどれだけ情報を届けられたかということを重要視するのに対して、クロスメディアは消費者の気持ちの変化や実際の行動を促すシナリオ作りになる。
この点については、「ワンソースマルチユース」「メディアミックス」「クロスメディア」など、似たような印象を与える言葉がいくつも存在するが、最終的には対象顧客にアクションを起こさせることが目標なのであり、これからのクロスメディアは「コンテンツとスクリーンのアンビエント化」というわけである。デバイスが多様化し、様々なチャネルから情報が入り込んでくるという環境(アンビエント)にて、顧客がサービスを利用しやすい環境をつくる=ストーリーを持たせるということになる。このあたりはクラウドやユビキタスにも話が拡がるところだろう。
Web広告研究会でも盛んに取り上げられる「トリプルメディア」「トリプルスクリーン」についても触れた。トリプルメディアについてはWebで検索すれば詳細は得られるので割愛するが、重要なことはEarned Mediaに分類されるソーシャルメディアは、マーケティングの考え方でいけば広報的機能を備えたものであり、AIDMAがAISASになったように消費者を動かす力になりえる部分である。特性としても、消費者との対話が可能であり、評判という資産を生み出すものである。Owned Mediaにしても、ホンダやサントリーの企業サイトの例を挙げ、数百万人が月間でアクセスされることの重みを捉える必要がある、とした。かつてはPaid Mediaのみだった構造が変化し、どのような戦略をもってPRしていくかが重要な時代にすでに突入している。
後半では、クロス・フュージョン衣袋氏よりアクセス解析についての考え方、その解析の流れや用語について広くレクチャーが行われた。
衣袋氏によれば、アクセス解析とは
・計数的評価軸を持ち
・仮説検証、分析により
・サイトの改善活動を行い
・企業に利益をもたらす
・一つの手がかり
であるという。当たり前のようで難しいところだが受講者にとっても、日々の仕事の成果はどのような評価軸を定めているか、そして評価が数値化されているか、それが出来ていてこそ、分析対象が生まれて仮説を定められる。アクセス解析も、導入したからといって何もかもがわかるわけではなく、仮説検証のサイクルにのせられるツールと捉えなければならない。ネットの出現により、ユーザの行動データが簡単に取れるようになった。自分たちができることが増えたわけである。ウェブビジネスの成功のためには様々な仮説検証が必要となるが、アンケートデータや広告測定データやインターネット視聴率データなどと一緒に、中心的な位置づけになるのがアクセス解析なのである。
詳細は後日の全文掲載にて報告されるが、アクセス解析の仕組みについても触れた。クライアント・サイドとサーバ・サイドでのデータの違いをしっかりと理解しておく必要がある。ツールによって設定も可能だが、原則としてサーバで多くカウントするケースや、逆にクライアントで多くカウントするケースがあるため、注意が必要であろう。
結びとして、アクセス解析はサイトビジネスの改善の一手法ではあるが、全てではない。数字は具体的な改善策を教えてはくれない、ということである。前述のとおり、PDCAのサイクルにいきなりアクセス解析ツールがあって、ツールありきで仮説検証をはじめること自体が間違いなのである。サイトの目標があって、そのための評価指数項目が決まり、そこでその評価指数を分析できるツールが選定されるというわけである。
セミナー全文はこちらからご覧いただけます。
※クロスメディア研究会会員限定