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刷版・校正の動向

■国内のCTPの動向

半裁以上のCTPの新規導入はほぼ終わり現在3000台以上のCTPが稼動しており、中堅以上の印刷企業にはほぼ行き渡ったと思われる。またオフセット刷版におけるCTP版の比率は既に50%以上となっていて、さらに社内のCTP化率が上昇すれば、米国のようにCTP化率80%に近づくだろう。次のCTP市場は四裁サイズの市場であり、、ベンダーは最終的には6000台以上のCTP化が普及すると見ている。

■CTP

大日本スクリーンのPT-R8800 IIは四六全判対応で高速化用のオプションを追加によって最大35版/時を実現している。またパッケージ印刷などのフレキソ印刷、シールラベルや飲料缶の印刷方式として定着しているレタープレス用途の両方に使用できるパッケージ印刷業界向けハイブリッドCTPであるPlateRite FX870も登場した。アグフアの:Avalon LF-:Azuraは世界最速ケミカルレスプレート対応の菊全判CTPで毎時23 版を出力する。対応プレートにはアグフアの:Azura、KPGのThermal Direct、富士フイルムのET-Sなどがある。
半裁市場でもCTPの普及が始まっていて、銀塩タイプでは三菱製紙のフレキシブルCTPのFREDIAをはじめ、露光方式はバイオレットレーザー、各CTPベンダーか取り組み始めた。生産性ではサーマルと同等で、大日本スクリーンのPlateRite 2055Vi(B2判)、アグフアの:Palladio II(菊半裁寸延び)はどちらも20版/時である。倍判〜A4倍判のVLFダイプにはKodakのMagnusシリーズ、大日本スクリーンのPlateRite Ultimaシリーズ、アグフアの:Xcalibur VLFシリーズなどがある。

■FMスクリーン

FMスクリーニングには、1つはマイクロドットパターンのサイズ、形状、頻度を変化させて濃淡を再現する「ハイブリッドFMスクリーニング」と、トーンレンジの主要部分をAMスクリーンで表現し、両端(通常は1〜10%と90〜99%)は網点の個数(FM)を変化させること(FM)で濃淡を表現する「ハイブリッドAMスクリーニング」がある。 大日本スクリーンのFairDot、Randot、アグフアの:Sublima、ハイデルベルグからはStochastic Screening、富士フイルムグラフィックイメージングシステムからはTAFFETA、コダックからはstaccatoなどが提供されている。

■新聞印刷のFM化、CTP化

朝日新聞社ではCTPプロジェクトの中でFMスクリーニングの本番テストに取り組み、広告発注者から高画質の評価を得られるまでになった。そして2008年までに全23工場へのCTPの導入と、2010年頃には全ての広告を30ミクロンのドットでFM化するという。
CTP化で全社の刷版要員を80人〜90人削減でき、また原稿の種類にもよるがFM化で年間60億円程度のインキ使用量が2割〜3割は削減される。10年スパンで考えるとインキコスト削減で,CTPとFMスクリーニングの初期導入コストが全部賄える程度の金額になると試算している。

■モニタープルーフ・リモートプルーフ

モニターによるリモートプルーフの利用も始まっている。コダックポリクロームグラフィックスの「リアルタイムプルーフ(主に原稿校正用)」や「マッチプリントバーチャルプルーフィングシステム」はインターネットで遠隔地間の色確認を行うことを可能にした。

■デジタル校正

ハイエンドの網点生成タイプでは、コニカミノルタグラフィックイメージングのDigitalKonsensusProが網点濃度が可変できるようになった。これによって1bitをそのまま使用して、本刷りと校正の色を合わせておくことができる。各社のFMスクリーンにも対応している。安価で高品質なインクジェットのプルーフについても、EPSONのMAXART PXシリーズには、ハイスピードモデルとプロモデルの2機種がある。

2006/08/27 00:00:00


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